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ぶどうとタンニン、スモーク香が漂うロングロウレッド11年フレッシュポートカスク

■ロングロウとは

ロング楼は、スプリングバンク蒸溜所という蒸溜所にてピートのみで48時間乾燥させたフェノール値50～55ppmの麦芽を使用し、2回蒸溜で作られている力強くオイリーな印象のシングルキャンベルタウンモルトウイスキーです。
あらゆる年数やカスクタイプを混ざることによってロングロウ独自の魅力を引き出しています。

■ロングロウが製造されているスプリングバンク蒸溜所

スプリングバンク蒸溜所は、スコットランドのアーガイル・アンド・ビュート、キャンベルタウンにあるモルト蒸溜所です。
1828年にこれまでに非公式で蒸溜を行っていたリード家によってライセンスを取得して設立されました。
しかし、リード家は1837年に財政難に陥ったことで親戚関係であったミッチェル家・ジョン＆ウィリアム・ミッチェル兄弟が後を継ぎます。
しかし、1872年にはウィリアムがほかの兄弟の経営する蒸溜所へ行くことになり、ジョンは息子であるアレクサンダーとともに経営に携わっていくのです。
1897年にはJ&Aミッチェルを設立しましたが、この後蒸溜所の閉鎖や再開、モルティングの廃止などが繰り返されていきます。
そんな中1985年に今回ご紹介するロングロウが初めてリリースされることになり、蒸溜所は段階的に再開、そしてモルティングが再開されていき、1999年には世界初のオーガニック大麦を原料としたシングルモルトであるスプリングバンク7年ダ・ヴィーレイをリリースします。
こちらのスプリングバンク蒸溜所は、生麦からボトリングまでをすべて蒸溜所の中で一貫管理し、すべての麦芽をフロアモルティングで賄う非常に珍しく貴重な蒸溜所としても有名です。
そして大麦はキャンベルタウン産の地元で採れたものを積極的に使用されており、仕込み水は、19世紀にウイスキー蒸溜のために作られた人工貯水池であるクロスヒル湖と敷地内にある井戸水を採用しています。
スプリングバンク蒸溜所では3つのシングルモルトが製造されており、ピートを軽めに焚いて2回半蒸溜させて作るスプリングバンク、ピートのみで麦芽を乾燥させて2回蒸溜したロングロウ、ノンピートで3回蒸溜させたライトなヘーゼルバーンがあります。
キャンベルタウンは、スコットランドのキンタイア半島の先端にあることから、海岸線が入り組んでおり、霧が頻繁に発生するエリアです。
このため、霧に塩気が混ざりやすくなり、熟成しているモルトも塩気が加わってアクセントとなっています。
2018年時点でのアルコール生産能力は75万リットル程度でさほど大きな規模ではありませんが、キャンベルタウンの中では伝統的な蒸溜所として親しまれています。

■ロングロウレッド11年フレッシュポートカスク

ロングロウレッドは、ワイン樽熟成の限定品として発売されており、毎年1回リリースされているシリーズです。
毎年異なる種類のワイン樽のエクスプレッションが販売され注目をされています。
そして2015年に第3弾としてリリースされたのが、こちらのロングロウレッド11年フレッシュポートカスクになります。
ポルトガルの酒精強化ワイン、ポートワインのファーストフィルの樽で11年間熟成させたカストレングスでボトリングされたものです。
香りは非常に香ばしい中にも甘さがあるのが特徴で、プラムやぶどう、ストロベリー、ルバーブが前面に、そして焦がしたシュガーやカカオ、ブラジルナッツ、濡れた土っぽさ、ウッドスモークの香りも漂います。
舌触りはファッティで、チャツネ、ルバーブジャム、アプリコット、ホワイトペッパーの味わいが絶妙なバランスです。
フィニッシュは甘い煙とワイン由来のタンニンが感じられる魅力的な一本です。
9,000本という限定品ですが、日本国内にはわずか300本のみがリリースされたという大変国内では希少価値の高いボトルとなっています。
スモークやぶどう、タンニンのバランス良いハーモニーはぜひおすすめです。
アルコール度数51.8度、容量は700mlです。