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■ザ・マッカラン蒸溜所の歴史

ザ・マッカラン蒸溜所はウイスキーの産地であるスコットランドのハイランド地方の東部に位置するスペイサイド地方にある、老舗の蒸溜所です。
密造酒製造が問題となっていた1800年代に、ハイランドで2番目に政府より合法的なライセンスを取得した実績を持っています。
ライセンスを取得した1824年より、さかのぼること100年以上前からウイスキー造りをしており、1700年代初頭には「いのちの水」として人々に愛されていました。
スコットランドには100を超えるウイスキー蒸溜所があります。
基本的に同じプロセスでウイスキーが造られていますが、ザ・マッカラン蒸溜所が生み出すザ・マッカランは「シングルモルトのロールスロイス」と讃えられ、ほかとは異なる類まれな芳醇さと華やかさを誇っているのです。

■ザ・マッカランならではの樽のこだわり

長い時間と手間暇をかけて造った樽にこそ、ザ・マッカランがほかの多くの蒸溜所とは異なる味わいや香りをもたらし、シングルモルトの最高峰に君臨する理由があります。
代表的なヨーロピアンオークのシェリー樽はスペインの北部からフランスなどヨーロッパ東部で生育した樫を伐採し、1年かけて空気乾燥を施してから、樽板としてさらに18ヶ月間寝かされます。
樽にあぶり加工を施して均一の層を形成することで、バランスに優れたフレーバーを与える役割を果たす樽となっていきます。
アメリカンオークのシェリー樽には、まずアルコール度数約18％のオロロソシェリーを詰めます。
バーボン樽はアメリカ産のオーク樽にアルコール度数62.5％以下のバーボン酒を入れた後、高めに温度設定した倉庫でじっくりと寝かせて仕上げられる樽です。
高いアルコール含有量が樽原酒に大きな影響を与えます。
色合いの違いも出るなど、ニューメイクスピリッツにはっきりとした個性の醸成に最適です。
そのほか、シェリーバットやパンチェオンなどの伝統的なホッグスヘッド樽も用意され、18ヶ月じっくり風味付けをするときに使用されています。
熟成させる樽への並々ならぬこだわりのもと、明確な目的を持って時間をかけて仕上げられた樽は、最終目的地のスペイサイドへと運ばれます。
ザ・マッカラン蒸溜所がある場所までようやくたどり着いた樽はファーストフィルと呼ばれます。
ウイスキーの色味や味わいを生み出すニューメイクスピリッツに大きなインパクトを与えるものです。
再利用される樽はリフィルカスクと呼ばれますが、ファーストフィルよりも繊細で複雑性も加わり、長期熟成用の樽として向いています。
ニューメイクスピリッツを熟成期間に合わせて、ファーストフィルまたはリフィルカスクに詰め、貯蔵庫で眠りにつきます。
スペイサイドの穏やかで湿度のある空気を呼吸しながら、ゆっくりと熟成を遂げていきます。
ザ・マッカラン蒸溜所では選りすぐった樽からサンプルを抽出してチェックするサンプリングチームがあるのも特徴的です。
熟練の職人が絶えずサンプリングを行い、色合いは自然であるか、複雑なアロマが醸成されているかなど、いくつもの基準をクリアしているか細部にわたって厳しくチェックしています。
ザ・マッカランは着色などを一切しないこだわりを持ち、自然がもたらす色彩を大切にしています。
色合いの醸成にも樽が大きく影響することから、樽造りに並々ならぬこだわりと時間をかけているのです。