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格式高く手に入りにくいマーテル コルドンノアール ナポレオン

■今では製造されていない希少なナポレオン

マーテル コルドンノアール ナポレオンは1970年代に発売され、1990年代には終売となっています。
つまり、今の時代にはメーカー直販の新品が流通しておらず、とても希少でく手に入りにくい最高級ブランデーです。
使用されている原酒は、熟成年数15年から20年ほどであり、フランスのコニャック・メゾンとして名高いマーテル社のVSOPとコルドンブルーの中間にあたる銘柄に位置します。
コルドンノアール ナポレオンの名称にある「コルドン」というのは、フランス語で「リボン」を意味しており、「ノワール」は「黒」という意味です。
そのため、マーテル コルドンノアール ナポレオンのキャップボトルのネック部分に黒いリボンが装飾されているのも特徴です。

■最古の歴史を誇るコニャック・メゾン

高品質なブランデーの中でも、フランスのコニャック周辺で産出されるブランデーはとても品格が高く、世界に認められる人気のブランデーです。
マーテル社は大手コニャックハウスの中でも最古の歴史を誇り、1715年に創設されました。
創業以来、独特の製造法でコニャック造りが伝承されています。
マーテル社のコニャックの特徴としては、複雑ながらもバランスが良く、優美さを伴う、違う特質が融合できるという他にはマネできない個性が際立つブランデーとなっています。
コニャックを超える等級を持つブランデーが、ナポレオンです。
高級ブランデーの代表格として、マーテル コルドンノアール ナポレオンは味わいだけでなく、ナポレオンならではの香り高さが楽しめるのが魅力です。

■なぜナポレオンの名前がついているのか

ブランデーの等級に、なぜナポレオンの名前がついているのでしょうか。
フランスではナポレオンが偉大だったから、ナポレオンが愛したお酒だからとイメージされるかもしれません。
そもそも、ナポレオンというお酒の商品や銘柄があると思い込んでいる方もいると思いますが、ナポレオンはあくまでもブランデーの等級を示し、最高級グレードのブランデーに与えられる等級です。
ナポレオンとなるためには、蒸溜後最低でも7年の熟成期間を経た原酒を使わなくてはなりません。
ナポレオンの名称が等級になった背景には、フランス皇帝ナポレオンに男の子が誕生した1811年まで歴史を遡る必要があります。
男の子が欲しいと願っていたナポレオンにとって、男の子の誕生は大きな喜びであったに違いありません。
この年、ヨーロッパに彗星が現れました。
当時のヨーロッパでは彗星が現れると不吉なことが起こると恐れられており、人々は不安がっていました。
最も、一方では彗星が現れた年は、ぶどうが豊作になる年でもありました。
では、実際にはその年はどうなったのでしょうか。
1811年はぶどうが空前の豊作となりました。
そこで、ナポレオンに男の子が生まれた記念として、その年作られたブランデーがナポレオン・ブランデーと呼ばれるようになったのです。
大豊作の年に生み出されたブランデーは味わいも良く、これまでにない品質であったことから、それ以降、最高レベルのブランデーにはナポレオンという等級がつけられるようになったといわれています。

■マーテル コルドンノアール ナポレオンの楽しみ方

味わいは原料に果物が使われていることもあって、ほんのりとした甘みがあります。
熟成されたものほどアルコールの角が取れ、芳醇でまろやかな味わいが増していくのが魅力です。
ブランデーは香りを楽しむお酒でもあり、ナポレオンクラスになれば、お酒が飲めない方でも、その芳醇な香りだけで楽しむことができるほどです。
芳醇な香りと熟成された深い味わいを堪能するなら、まずはストレートで味わいましょう。
スニフターという香りを楽しめるチューリップ型グラスに、40～60mlほどを注いでください。
ストレートでじっくり楽しむためには、20〜30分程度で飲める量が適量だからです。