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人類にとって切り離せないのはお酒

■いつの時代も人はお酒とともに生きてきた
お酒と人類の歴史は密接に関係しあっていると言われています。
世界最古のお酒が飲まれた記録として残っているのは、紀元前7000年の中国です。
この気の遠くなるような遥か昔から、人はお酒なしには生きてこられなかったことが分かります。
なぜ紀元前7000年という時期が特定できたかというと、陶器に入っていたからです。
革や木の容器に入っていたら、その痕跡は残らなかったとされており、同じような陶器がずらりと出てきたことや、陶器に入っていたことで、その陶器の成分から米やはちみつ、フルーツを醸造したものであることが分かったのです。
このお酒はjihuaと呼ばれ、世界最古のお酒だとも言われています。
それは、jihuaが入っていた容器自体が、中国の歴史の中でも最も古いものだとされているからです。
当時、jihuaを使ってお酒を作ったことから、成分が陶器に残り、分析した結果、お酒を作っていたのはいつだったのかということが分かったわけです。

■エジプトでは5000年前に
5000年前にはエジプト王であったスコルピオン1世の墓から、エジプト最古のワインが発見されました。
こちらは中国とは違い、生薬やミント、コリアンダーにセージといったハーブ類が含まれ、薬として用いられていたと考えられます。
さらにアフリカでは古代遺跡の遺骨から、抗生物質の一種であるテトラサイクリンが見つかり、これにより古代アフリカ人はビールからテトラサイクリンを摂取していたと考えられます。
それというのも、土壌にはストレプトマイセンという汚染菌がいたことから、これを殺すための医療用抗生物質として、ビールを用いたと考えられます。

■インカ時代に大きな変化が
1000年前のインカ前に存在したワリという国では、トウモロコシのお酒を作っていたことが分かっています。
遺跡からの発見によって、チチャという名前のお酒をかなり大規模に作っていたことがわかっています。
ワリは中心都市としての機能を持っていたことから、政府高官をもてなすために提供されたと考えられ、純粋に楽しむために提供された、人類史上、初めてのお酒と言えるかもしれません。
その後はヨーロッパ最古のワインから、スカンディナヴィアのスピリッツ、鉄器時代のビールなど、様々な種類のお酒が登場します。
それだけ人類にとってお酒とは、用途を変えつつも、必要な存在だったといえるでしょう。
現在はもっぱらおいしく飲むために作られていることが大半ですが、まだまだ治療薬として使っているところもあるのかもしれません。

■宮城で作ったニッカウヰスキーは純粋に飲んで楽しめるお酒
ニッカウヰスキーの創業者である竹鶴政孝が情熱を注ぎ、精魂込めて作ったニッカのウヰスキーは、ぜひその全てを飲んで楽しみたいと言えます。
ニッカウヰスキーは、余市蒸留所の他に宮城狭蒸留所も持っていますが、両者で作られるウイスキーは、おなじニッカでも味わいが異なるのが魅力です。
宮城蒸留所が作るウイスキーには「宮城峡」なるブランドがあり、中でも「シングルカスク原酒20年」は宮城峡蒸留所でのみ直販されているという、非常に稀少価値の高いウイスキーです。
つまり、ここに行かないと買うことはできません。
蒸溜所には、それぞれの個性を持つウイスキーの原酒を詰めた樽があり、それらをどのように組み合わせるかによってウイスキーを作りあげます。
これを行うのが、ブレンダーと呼ばれる人たちです。
一般的には、いくつかの樽からブレンドして作るブレンデッド・ウイスキーと呼ばれるものが飲みやすいとされますが、「シングルカスク原酒20年」は、一つの樽のモルトウイスキーだけを選んでボトリングしているのが特徴です。
香りが非常に良く、原酒だけが持つ芳醇で個性的な味わいが楽しめるのはもちろん、スコッチウイスキーにこだわりぬいた竹鶴政孝が作ったニッカウヰスキーの真髄が分かる逸品です。
薬として飲むのではない、おいしさを追求するために飲むお酒なのは確かです。