お酒買取なら大阪のネオプライス

■幻の焼酎と呼ばれる3M
芋焼酎の産地として名高い鹿児島県には、有名な3種類の芋焼酎があります。
それは「森伊蔵」、「魔王」と「村尾」の3つで、幻の焼酎として知られており、総称して3M(スリーエム)と呼ばれています。
この3つの焼酎の名前の頭文字が、全てMから始まることからこの呼び名がつきました。
森伊蔵、魔王そして村尾の3つは共に鹿児島県に拠点をおく、歴史と伝統を持つ焼酎の蔵元で醸造された本格芋焼酎です。
3Mはそれぞれが独自の風味を持ちながらも、卓越した美味しさを誇っていたことから、瞬く間に大人気商品となりました。
そして希少価値の高いサツマイモを原料としているため、生産数が限られており市場での売買価格が跳ね上がったことでも有名です。
3つのプレミアム焼酎の内、2つの焼酎の銘柄名には人名が用いられていますが、初めてある人物の名をつけて誕生したのが「森伊蔵」でした。
森伊蔵は鹿児島県垂水市に製造の拠点をおく、森伊蔵酒造が醸造している銘柄です。
森伊蔵酒造の創業は1885年(明治18年)で、森伊蔵は4代目の当主でした。
そして5代目の当主となった息子の森覚志氏が、父である森伊蔵の名前を取って銘柄名としました。
その当時は、お酒に人の名前が付けられた銘柄はほとんどなく、その命名に驚きを持った人も少なくなかったのです。
しかし、その後焼酎に人名を付ける銘柄が続出し、3Mの一角である村尾もその例に習った一つと言えます。

■焼酎ファン垂涎の逸品を生み出した蔵元
今や焼酎界のレジェンド的存在となった森伊蔵は、なかなか手に入れることのできない銘酒として焼酎愛飲家たちの垂涎の的となっています。
コレクターは世界中に存在し、あらゆる手を尽くしてもなかなか入手することができないことからも、森伊蔵の人気の高さがうかがえます。
森伊蔵酒造は明治18年の創業から、当時大変珍しかった「かめ壺仕込み」の製法を採用して焼酎の醸造を行ってきました。
そして、120年の歴史を持つ木造蔵を現在も所有し、創業当時からの変わらぬ製法で焼酎を造り続けています。
しかし、森伊蔵酒造の酒蔵の広さはおよそ150坪ほどで、酒蔵としては大変こじんまりとした規模です。
その酒蔵では、森伊蔵酒造の「美味しい焼酎」造りにかける工夫が凝らされています。
醸造した焼酎の品質が紫外線で劣化することを防ぐため、焼酎を詰める瓶には茶瓶を使うなど、細かい所にまでこだわりを持っているのが特徴です。
創業当時は経営が繁盛していた森伊蔵酒造ですが、過去には経営危機に陥った時期もありました。
破産の際まで追い詰められた森伊蔵酒造を有限会社化し、経営を立て直したのが5代目の当主・森覚志氏だったのです。
そして、森伊蔵酒造の破産の危機を回避したのが、何を隠そう森伊蔵酒造の名を全国に轟かせた銘酒「森伊蔵」でした。
長年の歴史を刻む蔵元は、焼酎をこよなく愛する人たちの間で語り継がれる森伊蔵を生み出したことによって救われたのです。

■店頭販売を行わない販売方法
森伊蔵酒造では、店頭での森伊蔵の販売を一切行っていません。
過去には店頭で販売していましたが、森伊蔵にあまりの人気が出たことで、発売日に交通渋滞を引き起こす事態が生じました。
それ以来販売するにあたって公平を期すため、電話での予約受付という方法に切り替えたのです。
現在は毎月15日から25日の間、24時間体制で電話予約を受け付け、当たった人にだけ販売をしています。
森伊蔵の名前から力強いイメージが持たれがちですが、実際の森伊蔵は大変女性的で優しさに満ち溢れた味わいです。
芋焼酎にありがちなイモ臭さが感じられず、きめ細やかで滑らかな舌触りと芳醇な香りが漂ってきます。
まろやかな口当たりは、焼酎特有の高いアルコール度数のきつさがなく、むしろ飲み口の良さが際立っているのが特徴です。
原料に使用しているサツマイモは契約農家が丹精込めて育てた黄金千貫で、高隈山系から湧き出る伏流水が仕込みに使われています。
そして、種米麹には福井県産の厳選されたコシヒカリが用いられ、この3つの上質な素材が絶妙のバランスを取って森伊蔵を造り出しているのです。
アルコール度数は25度ですが、森伊蔵を最も美味しく味わうなら、やはり常温のストレートでちびちびと楽しむ飲み方をおすすめします。
もちろん冷やして飲むもよし、熱燗でいただくのもまた捨てがたく、そしてお湯割りの美味しさもぜひ味わっていただきたい至極の逸品です。