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■森伊蔵の名とその歴史
焼酎ファンなら、森伊蔵の名前を知らない人はほぼいないといっていいでしょう。
最初はとりあえず焼酎を飲むかと飲み始めたという人でも、芋焼酎のおいしさを知るにつけ、もっと上質なものを味わいたいと思うはずです。
芋焼酎にはたくさんの種類があることから、徐々に値段とランクを上げていくことが可能ですが、行きつく先は森伊蔵をはじめとする3Mと呼ばれる芋焼酎3大酒造会社になるのは、容易に想像がつきます。
その中でも、森伊蔵は明治18年に創業以来、鹿児島県垂水市にずっと店と蔵を構え、その歴史を紡いできました。
森伊蔵酒造の広さは約120坪あり、酒造会社としてはかなりこじんまりとしたところですが、伝統的な甕つぼ製法によって焼酎を作っていることから、この広さで十分やっていけているといえます。

■森伊蔵を有名にしたものとは
森伊蔵の名を有名にしたのは、ひとえに本格焼酎ブームが何度かに分けてやってきたことによります。
2016年まではしばしば飛びぬけてブームになる年が何度かやってきますが、最近はごく平均的に推移しています。
その中でも森伊蔵の名を広く知らしめたのは、同じMで始まる他の2社の作る芋焼酎も秀逸だったということが要因として外せません。
独特の臭みがあった芋焼酎から臭みを消したのは、3つの酒造会社が共に昔ながらの仕込み製法でコツコツと少数の芋焼酎を作ったからで、決して大量生産によるものではないことが一番の理由です。
それを証明する事実として過去の歴史を見てみると、過去の焼酎売上ランキングの中に、3Mのいずれも名を連ねていません。
北海道や群馬県、三重県など九州地方以外の焼酎メーカーがランキングに入っていることもありますが、圧倒的に鹿児島、宮崎、大分が多くなっています。
この内、鹿児島と宮崎は芋焼酎が多く、大分では麦焼酎を多く作っているのが特徴です。
森伊蔵は多くの焼酎を売り上げた酒造会社のランキング20位には全く入っていませんが、それは、大量生産をよしとしない歴代の当主の教えを守って作ることによって、ランキングでは表すことのできない評判を勝ち得たからといっていいでしょう。

■極上の酒造会社が作る極上の芋焼酎とは
森伊蔵には、いくつかの名前の焼酎がありますが、「森伊蔵 極上の一滴」はその中でも最高級品として、ファン垂涎の的となっている焼酎です。
ボトルには2つにタイプがあり、シャンパンボトルをイメージしたフランクミューラーオリジナルボトルは、そうでないボトルに比べてかなりプレミア度が高くなっており、その分、値段も高くなっているのが特徴です。
通常ボトルも最高級品としてかなり高価ですが、ボトルにこだわらないなら通常ボトルで買った方が少しでも値段が安くなっていいでしょう。
ただでさえ人気の森伊蔵の最高級品であり、極上の品となれば、これは歴史に名を刻む焼酎であることは疑う余地がありませんので、ぜひとも飲んでみたいファン垂涎の的というべき逸品です。

■森伊蔵はなぜこれほどまでに注目されるのか
最高級品や極上の品など、森伊蔵の品には常に最大級の賛辞が付いて回ります。
なぜこれほどまでに注目されるのかとしては、まず、創業来120年の歴史を持つ木造蔵を今も現役で使っていることや、創業時は珍しかった甕つぼ作りという製法を今もなお続けていることが挙げられます。
さらに、紫外線が当たっても焼酎の品質が悪化しない茶瓶を使用し続けることにこだわるなど、過去の歴史から学び、そしてその都度、その歴史が正しいことをおいしい芋焼酎作りの結果から学んだことにより、その方法をかたくなに守ってきたからでしょう。
時代は変わり、オートメーション化され、さらにはデジタル化されていく今の世の中で、あえて手間暇のかかる方法を採っているものだけが作り出せるおいしさであることが、森伊蔵を特別な存在にし、さらにこれほどまでに注目されるに値するだけの酒造会社にしている理由といえます。