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ポールジローだけが生み出せる至福のコニャック

■シングルコニャックを作るメゾン
ブランデー及びコニャックを作る醸造業者のことをメゾンと呼びますが、コニャックという特別な高級ブランデーを作るコニャック地方の大手有名メゾンの影に隠れ、実は「別格」とブランデー愛好家たちに称されるのがポールジローです。
ポールジローは、400年にわたるブドウの栽培と300年にわたるブランデー製造の歴史に加え、1800年代後半にはコニャック地方でブランデーを作っていることを武器に、コニャック作りに乗り出します。
けれど、ポールジローはもともと当主である男の子が生まれたら「ポール」と名付けられ、何代にもわたってポール・ジローを名乗り、家業を継いできたことからも分かるように、家族だけで細々と経営を行ってきた生産者です。
とても大手ブランドに太刀打ちできるはずがありません。
それでもブドウの栽培から発酵、そして蒸留酒を作るための蒸留と、蒸留酒を熟成させる樽詰めに、熟成途中の樽の管理、そして熟成具合を見定めてのオー・ド・ヴィーのブレンディングに至るまで、すべてを行ってきた生産者がポールジローです。
コニャック地方にある大手ブランドでは、それぞれの分野に専門家がいて、ブレンディングは誰が、栽培地の選択は誰がといった具合に行うことで、上質のコニャックを生み出すのに対して、一貫して作った生産者だけが生み出せる味わいが、ポールジローのブランデーは別格という評価を与えているのでしょう。
こうした生産者のことを、フランス語でプロプリエテールといい、家族経営のブランデーメーカーを意味しています。
そんな生産者が作り出したコニャックはプロプリエテ コニャックやシングルコニャックと呼び、すべて自家製であることが分かるようにしているのが特徴です。
これは、コニャックだけでなく、アルマニャックやカルヴァドス、さらにはワインにも用いられることから、知識として持っておきたい言葉です。

■ポール・ジローのこだわりとは
プロプリエテ コニャックを作るのは、正直なところ大変な作業です。
まず、自らのブドウ畑を所有し、ブドウを育てるところから始めないといけませんし、蒸留設備から保管するための樽、そして樽を置いておく場所も必要です。
400年前からブドウを栽培し、300年前からブランデーを作ってきたポールジローは、家族経営とはいえ、ある程度の広さの所有地を持っていたと考えられますが、大手に押され、優れた品質のプロプリエテ コニャックが作れる生産者は減っていく一方でした。
その中にあってポールジローを良質のコニャック作りに駆り立てているのは、300年藻の間続けてきた、ブランデー製造の歴史なのではないでしょうか。
400年前から続くブドウの栽培を今も手掛けていることも、作付けや剪定などのブドウの収穫のために必要な畑の管理、さらには醸造に蒸留、樽詰してからの熟成まで、気の遠くなるような作業をジロー家で全て手作業で行っているのは、まさに神業と言えます。
とはいえ、連綿と続いてきた歴史の中で方法を変えることなく守ってきたことが、ポールジローを上質のコニャック生産者にしているのでしょう。
また、変えずに来たからこそ続けられているとも言え、これこそが、ポールジローのこだわりなのかもしれません。

■これ以上はない特別なポールジローのコニャック
「ポールジロー ベリーベリーオールド デキャンタ ディアマン」は、そんなポールジローのコニャックの中で、最も価値のあるコニャックといえます。
クリスタルで作られたデキャンタの中には、ポール・ジロー氏が大切に保存してきた秘蔵の古酒が詰められています。
樽からデキャンタに詰められたのですが、実はこの樽の中の古酒はいつから熟成されてきたのか、ポール・ジロー家でも把握できていないほど古くからあったことから「べりーべりーオールド」という名前になったくらいなのです。
通常、古酒は複数をブレンディングすることによっておいしくなるのですが、この樽の古酒はこれだけで非常にフレッシュなアロマを持っていたことから、いつの日か樽出ししようと、ジロー氏が大事に保存してきたといういわくつきでもあります。
「ディアマン」は「ダイヤモンド」を意味しますが、美しいデキャンタボトルの佇まいはまさにディアマンそのもので、ポールジロー渾身の逸品であることは確実です。