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■１００年の眠りから目覚めたウェルシュウイスキー

一説には、スコッチウイスキーやアイリッシュウイスキーよりも歴史が古いと言われるウェルシュウイスキー。
しかし、生産国であるグレートブリテン島ウェールズでは約１００年もの間ウイスキーの生産は行われていませんでした。
その背景には、規律や秩序を重んじるキリスト教メソジスト派の影響で禁酒が奨励されたことにあります。
１９世紀に禁酒運動が盛んになったことでウェルシュウイスキーの生産が減少し、１８８７年にはついに新酒の製造が停止されてしまうという歴史的背景によって、その後１００年以上もの間、ウェルシュウイスキーはこの世から消えていました。
そして１９９８年、パブで集まった地元の有志によって、ウェールズの原始的な風景が残るブレコンビーコンズ国立公園にペンダーリン蒸留所が建設されることになります。
２０００年には、蒸留所で最初の蒸留となるシングルモルト・ウイスキー「ペンダーリン（PENDERYN）」が発表されました。
ウェールズの文化と歴史を祝う伝統的な記念日「セント・デイヴィッドデイ（聖デイヴィッドの日）」である３月１日に、ウェールズ大公でもあるチャールズ皇太子が同席するセレモニーが盛大に行われる中、「ウェルシュウイスキー」は復活を遂げました。

■ラグビー史上最高のトライを讃えたウイスキー「ペンダーリン ザットトライ」

「ペンダーリン ザットトライ（PENDERYN THAT TRY）」は、ウェールズの歴史や人物にフィーチャーしてつくられたボトルシリーズ「The Icon of Wales（アイコン・オブ・ウェールズ）」の第４弾としてリリースされたシングルモルトウイスキーです。
「ザットトライ」は、世界の一流選手だけで編成されたラグビーチーム「バーバリアン・フットボール・クラブ（通称：バーバリアンズ）」でスクラムハーフとしてプレーしたガレス・エドワーズ元選手のトライが「ラグビー史上最高のトライ」と称賛されたことを記念してつくられました。
そのため、バーバリアンズのチームカラーでもある黒と白を基調にしたボーダー柄のユニフォームを彷彿とさせるパッケージデザインが施され、その中には一見お酒と想像し難い漆黒のボトルにウイスキーが詰められており、非常にスタイリッシュなデザインとなっております。
かつて元ラグビーユニオン選手として卓越したプレーでラグビーファンを魅了したガレス・エドワーズ氏は、BBCによって「ウェールズのジャージを纏ったほぼ間違いなく史上最高の選手」とまで評された素晴らしいプレイヤーとしてスポーツ界にも貢献し、今もなおウェールズでは伝説的人物として語られています。
「アイコン・オブ・ウェールズ」シリーズには、労働者による社会的抗議の象徴として赤い旗が掲げられたことを記すボトル「レッドフラッグ（Red Flag）」やウェールズの神話に登場する女神リアノンを描いたボトル「リアノン（Rhiannon）」、ウェールズの詩人ディラン・マーレイス・トマスの生誕１００周年を祝したボトル「ディラン・トーマス（Dylan Thomas）」など全７種類がラインナップされています。

■ラグビーはウェールズの国技とされる最もポピュラーなスポーツ

イギリス本島南西部に位置するグレートブリテン島を構成する国のひとつ「ウェールズ（Wales）」は、今でも英語と並んで「ウェールズ語」が公用語として使われ、２５００年以上の歴史を誇る数々の伝説や神話を生み出したケルト文化が残る都市です。
イギリスの中で最も治安が良いと言われるウェールズには、３つの国立公園や約４００の湖に代表される大自然が広がり、６００を超える古城と情緒ある石造りの街並みが穏やかで美しく、「天空の城ラピュタ」の舞台となった国として観光地としても人気があります。
そんなウェールズの観光スポットのひとつとして人気を集めているのが、首都カーディフにあるミレニアム・スタジアムです。
収容人数は７４,５００人におよぶスタジアムは、ラグビーW杯１９９９のために建設された会場となっており、現在もラグビーやサッカーの試合に使われています。
近年日本でもファンが急増したラグビーは、ウェールズ人にとってアイデンティティの一部となっているほど。
ラグビーは国技として凄まじい人気があるだけでなく、「レッドドラゴンズ（赤い竜）」と呼ばれ、世界的な強豪として名を馳せるラグビーウェールズ代表は、ウェールズ人の誇りにもなっています。