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スコッチウイスキーが好きになったら気になってくるのはバーボン

■ウイスキーといえばスコッチ

ウイスキーは世界に5つの名産地がありますが、最もよく知られているのはスコットランドで造られるスコッチウイスキーでしょう。
そのほかにもアイルランドにアメリカ、カナダ、そして日本も今や上質のウイスキーを造り出す名産地となっています。
ウイスキーを飲むにあたって、最初はまずスコッチからという人も多いでしょうし、よく分からないで飲んだけれど、あとになってみたらスコッチだったという人も多いはずです。
それだけスコッチウイスキーは世界的に有名で、生産量も多く、さらにファンが多いウイスキーであることが分かります。
そんなスコッチを飲む機会が増えてくると、他の国のウイスキーはどんな味わいなのだろうということが気になってくるでしょう。
特に、イギリスの対極にあるといえばアメリカで、アメリカの造るウイスキーが気になるのであれば、その歴史から紐解いてみるのがおすすめです。

■アメリカのウイスキーの歴史

アメリカのウイスキーは、赤く光るまばゆいルビー色をしているのが特徴です。
ウイスキーは琥珀色というイメージがありますが、実際にはスコッチもオレンジがかっていたり、金色をしていたりと色合いにも個性があり、並べてみると興味深いでしょう。
17世紀、イギリスの植民地として新大陸と呼ばれ、まだアメリカという国名すらなかった時代に、この新大陸に続々とヨーロッパから移民が渡ってきます。
彼らによって蒸溜酒造りが始まり、最も盛んだったのが北米のヴァージニアでした。
移民たちは最初、果実を原料にラムやブランデーを造っていましたが、1622年、入植者の一人であるジョージ・ソープという人が現地のトウモロコシを使い穀物による蒸留酒を造りました。
これが、アメリカにおけるウイスキーの元祖と言えます。
移民者たちが最初に造った蒸留酒は、絵の具のような味がする上に、のどが焼けそうなほど辛かったのだそうです。
それでも飲みたいと思うのですから、人というのはよほどお酒が好きなのでしょう。
ハーブや香料を使って味をごまかして飲んでいたくらいです。
18世紀以降、スコットランド系アイルランド人によって、ウイスキーの本場であるスコットランドをルーツにするウイスキーが伝わることとなりました。
1776年、アメリカが植民地支配から独立して国家となると、現在はウイスキーの商品名に使われている事業家たちが続々とウイスキーづくりに乗り出し、アメリカンウイスキーを生み出していったわけです。

■ウイスキーを決める連邦アルコール法

アメリカでは、お酒の種類を明確に法律によって定めています。
アメリカンウイスキーの代表であるバーボンウイスキーを例に挙げると、原料の51%がトウモロコシで、それをアルコール度数80%以下で蒸溜し、内側を焦がした新品のオーク樽にアルコール度数62.5%で樽詰めし、2年以上経過したものとなっています。
こうした決まりが一つひとつのウイスキーにあるのですから、アメリカのウイスキーは実に厳しい条件のもとで造り出されていると言わざるを得ません。
そうなると、普段はスコッチを愛飲している人も、一度はアメリカのウイスキーを飲んでみようかという気になるでしょう。
バーボンの味の特徴は、トウモロコシを原料にしていることから甘くてまろやかなことです。
それでいて内側を焦がしたオーク樽に入れて熟成するので、オークの色素や香りを強く取り込み、骨太な印象にも仕上がります。
甘みの中に骨太さを感じる、そんなウイスキーはいかにもアメリカらしいと言えるかもしれません。

■アメリカのバーボンバレルを使用

バーボンバレルとは、バーボンウイスキーを熟成させるために使ったオーク樽のことです。
バーボンウイスキーを熟成させるには常に新品の樽を使う必要があり、一度使った樽は二度と使わないことから、スコッチウイスキーの樽としてよく使われています。
バーボンバレルは廃棄される運命にあるため、安価に調達することができるからです。
アラン蒸溜所の「ピーテッドアラン 2005年 アザミラベル」は、このバーボンバレルで7年熟成されたミディアムピートを使用した、シングルモルトウイスキーです。
骨太さもしっかり味わえることから、バーボンと比較しながら飲みたいスコッチウイスキーと言えます。