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イギリスのウイスキーの歴史を造ってきた二つの味わい

■イギリスをウイスキー大国にした二つの種類

元々イギリスでは、スコットランドとアイルランドで古くからウイスキーづくりが行われてきました。
どちらも甲乙つけがたい出来栄えで、現在ではウイスキーは5つの地域で造られるものが特に秀逸として知られています。
まずは、スコットランドで造られるスコッチウイスキーで、次にアイルランドで造られるアイリッシュウイスキーが続きます。
そしてアメリカで生まれたバーボンウイスキー、さらにカナダのカナディアンウイスキー、そして日本が誇るジャパニーズウイスキーの5つです。
それぞれ原料や蒸溜回数が異なることから、どれも特徴を持ったウイスキーに仕上がっています。
ウイスキー好きとしては、この世界5大産地全てをぜひとも飲んでみたいものです。
ここで気になるのが、アメリカ、カナダ、日本は一つの国として代表してウイスキーを造っているのに対し、イギリスではスコットランドとアイルランドに分かれることです。
その理由は、アイルランドでは20世紀初めから続いた内戦や、イギリスからの独立といった政治的要素が大きな影響を及ぼしていたことが要因として挙げられます。
スコットランドにしても、イングランドと長年犬猿の仲であったりと、一つの国として考えるには複雑な歴史を持ってきたのが、イギリスという国だったといっていいでしょう。
その結果、同じイギリスでもスコットランドで造られるスコッチと、アイルランドで造られるアイリッシュとに、違う味わいが生まれたのも無理からぬところです。

■有名なのは断然スコッチ、でも変化も

現在、スコットランドには50以上もの蒸溜所がありますが、アイルランドの蒸溜所はウイスキー人気の衰退から4つにまで減ってしまいました。
けれど、昨今の世界的なウイスキーブームによって、アイルランドの蒸溜所は40にまで急激に数を増やしています。
衰退から4つにまで減った蒸溜所が10倍になったのですから、アイリッシュウイスキーに対する関心の高まりは非常に興味深いと言えます。
アイリッシュウイスキーが人気復活を遂げた理由は、蒸溜回数が3回と、スコッチの2回、アメリカのバーボンウイスキーの1回に比べて多いことが挙げられます。
蒸溜回数が多ければ多いほど、より不純物が取り除かれるからです。
その結果、滑らかな口当たりとほのかな甘みが感じられるウイスキーになるのが、アイリッシュウイスキーの特徴です。
ピートと呼ばれる泥炭を使って原料をいぶし、その香りが独特の風味をもたらすことで人気のスコッチウイスキーに比べ、アイリッシュウイスキーはピートをほとんど使用しないことから、ウイスキー初心者にも飲みやすい仕上がりになっているのも魅力です。
イギリスのウイスキーの歴史を作ってきた二つの地区で造られるウイスキーの味の違いを知ってみると、より楽しみが生まれ、さらにウイスキーが好きになることでしょう。

■アランはどちらに似ているか

アラン島に150年ぶりに造られたアラン蒸溜所が造るのは、シングルモルトにこだわったスコッチウイスキーですが、ピートをあまり使わないという点ではアイリッシュウイスキーに共通するところがあります。
フルーティーな香りとフレーバーが飲みやすいとされているところも、初心者向けかもしれません。
そんなアラン蒸溜所が送り出す「ピーテッドアラン 2005年 ウイスキーライヴ2013記念ボトル」は、2013年4月20日と21日に開催された「第2回Tokyoインターナショナル・バーショー＋ウイスキーライヴ2013」にアラン蒸溜所が参加するのを記念して造られたものです。
特別にボトリングされたシングルカスクで、こちらはアランが少数だけ造っているピートタイプなのが特徴です。
ピート臭のないことを特徴にしているアランが記念に造ってきたウイスキーは、スコッチウイスキーならではのピートを使っているとあって、アイリッシュウイスキーとの比較にももってこいです。