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味わいはもちろん、ボトルコレクターもいるブランド

■洋酒のボトルは面白い
日本酒のボトルにも、最近は四角い形のものが出てきたりと意外性で注目を集めようというメーカーの努力が感じられますが、基本的に一升瓶と呼ばれるタイプはどれも同じです。
ラベルは凝ったものもありますので、ワインに多いラベルコレクターを真似て、日本酒のラベルを集めている人もいるのではないでしょうか。
その点でいうと、洋酒はどちらかというとラベルよりもエンブレムと呼ばれるブランドのロゴマークに注目が集まる傾向が強く、さらにはボトルも様々な形やデザイン、カラーに素材があり、入れ物という点では洋酒の方が面白いと言えるでしょう。
実際、中のお酒はとうに飲み終えたのに、ボトルはきれいに洗って大事にコレクションをしているというコレクターも多いのが特徴です。

■コニャックでボトルが特徴的なのは
コニャックには5大ブランドがあることが良く知られており、全てのブランドが独自のエンブレムを持っています。
ただ、ブランドによっては有名な芸術家とコラボしたラベル作りに力を入れていることもあり、こうしたブランドのコニャックが気に入っているなら、ラベルの収集が楽しくなるでしょう。
一方、1724年に創業されたコニャックの代名詞とも言われるレミーマルタンは、非常に独創的であったり、美しかったりといった具合に、ボトルにもこだわっていることで知られています。
もちろん、一番重視しているのはボトルの中に入れるコニャックで、294年の歴史の中で、レミーマルタンは300種類を超えるオードヴィと呼ばれる原酒を造り上げ、保持しています。
さらに、最上級の畑とその次の畑から採れるブドウだけを使って造るフィーネシャンパーニュ・コニャックの呼称が全ての製品に当てはまるのは、レミーマルタンの長い歴史が築いてきたたゆまぬ努力と情熱、そして信念だったのではないでしょうか。
そんな上質のコニャックを造るからこそ、それにふさわしい容器を作りたいという思いが強いのも、レミーマルタンの特徴と言えそうです。

■レミーマルタン史上もっとも美しいボトルは王に捧げられたデキャンタ
ルイ13世は、ことのほかレミーマルタンのコニャックを愛し、その販売をもっと積極的に行うようにと背中を押したことで知られています。
4代目のポール・レミー・マルタンは、ジャルナックの戦いの跡地で見つけたと持ち込んでこられた、あるものから目が離せなくなります。
それは、戦争の際に使われたと思しき金属フラスクでしたが、その独特の形は戦場に残されていたものとはとても思えないほど、美しいものでした。
ジャルナックの戦いがあったのは15世紀、ポールの元に持ち込まれたのは17世紀になってからのことですので、2世紀近く戦場に眠ったままだった金属が、レミーマルタンのコニャックに新たな伝説を生み出すことになります。
ポールはこの金属フラスクに似せて、ガラスでデキャンタボトルを作りました。
その出来栄えは非常に美しく、見ていて惚れ惚れする見事さです。
これに注いだのはデキャンタの美しさに引けを取らない、レミーマルタンが持っている最高級のコニャックでした。
このコニャックこそ、レミーマルタンのコニャックを愛し、どんどんそのおいしさを世間に広めるよう言ってくれたルイ13世に敬意を表して名付けた、ルイ13世です。
レミーマルタンの創業150周年を記念して発売される特別なコニャックとなったことも、コニャックファンにはおなじみです。

■ボトル愛好家にとっての垂涎の的
ルイ13世のデキャンタボトルの美しさは、レミーマルタンの中でも群を抜いていますが、レミーマルタン エクストラ リモージュもまた、非常に興味深いボトルです。
最高級ランクのコニャックのため、コニャックそのもののおいしさはもちろんのこと、フランスのリモージュ地方で作られる陶器製のボトルを使っているのが大きな特徴です。
コニャックを含むブランデー全般に言えることですが、陶器をボトルに使うというのは非常に珍しいことです。
深い青色に金色の刺し色が非常に美しく、ボトルコレクターも多いレミーマルタンの中では、ルイ13世のデキャンタ同様、かなりの人気があると考えられます。