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■畑で見つかったボトルが全てを変えたブランデー
レミーマルタンは高級ブランデーとして非常に有名なお酒でしょう。
製造しているのはレミー・マルタン社ですが、ここにはとても古い歴史があります。
1695年2月、フランスのルイヤックにある小さなワイン商に、レミーという男の子が生まれました。
彼は子供の頃から父のワインづくりを手伝い、父からたくさんの酒づくりの知識と技術、商売に対する情熱とを学びます。
1724年に30歳を迎えると、彼はすでに広大な土地と技術、大いなる野望とを持っていました。
所有地拡大のために起業精神を大いに奮い、ついにはレミー・マルタン社を創業するに至ったのです。
そして、1874年に4代目となるポール・エミール・レミー・マルタンは、高級コニャック、ルイ13世をつくり上げます。
彼は高度な品質管理体制を敷く改革に乗り出し、経営方針も整え、従来の樽売りとは別にコニャックの箱売りなども手がけ始めていました。
そうした発想から画期的な転機となったのが、とあるフラスク（携帯用の水筒）との出会いでした。
フランス南西部のジャルナックは歴史的にも有名なジャルナックの戦いの跡地でもありますが、そこからほど近い畑で1人の農夫が古代王族のフラスクを発見します。
そしてそれを報告した先が、ポール・エミール・レミー・マルタンでした。
そのフラスクは非常に独特な形状をしており、王族の紋章であるフルール・ド・リス（ユリの花）が中央に描かれた荘厳なものでした。
彼はこれに多大なるヒントを得て、原酒の中でも極めて古く希少なものを特別なボトルに入れて売ることを考えつきます。
この時に作られたデキャンタが13の尖頭部を持つ独特で美しいレミーマルタンのボトルで、自社の中でも一番高貴なコニャック、ルイ13世のリリースとなりました。

■数々の歴史の証人となったコニャック
ポール・エミール・レミー・マルタンは、1876年にアメリカでレミーマルタンを商標登録します。
その後1900年のパリ万国博覧会では最大級の賞賛を得て、ルイ13世は世界で絶賛されるコニャックとなります。
1929年には伝説にもなったオリエントエクスプレスの車内で、1935年には豪華客船ノルマンディー号の処女航海における1等席で、サービスとして振る舞われました。
1938年にはイギリスのジョージ6世とエリザベス2世がヴェルサイユへ訪問した際にも使われ、1944年にはフランス解放を祝って振る舞われたことでも有名です。
1984年にはコンコルドの機内で提供され、ルイ13世は数多くの歴史的瞬間に立ち会って来た特別なコニャックと言えます。
どの時代、どの歴史においても輝かしい人の手にはルイ13世があり、時間を超越した存在感を放っています。

■レミーマルタン ルイ13世 ベリーオールド クリアケース
ルイ13世は、時代も国境も越えて人々に愛されているプレミアムコニャックです。
初代マルタン家がコニャック地方で事業を始めた頃、当時の国王ルイ13世はブランデー造りを奨励しました。
おかげで飢饉に見舞われた際でもブランデー造りを続けることができましたし、事実、ルイ13世がいなければ現在のレミーマルタンは現存していなかったかもしれません。
現在、ルイ13世は100年古酒として熟成を果たしていますが、グランド・シャンパーニュの特級畑で、最も優れたブドウのみが用いられています。
ルイ13世になるに相応しいと認められた酒が熟成するまで40年から100年かかりますが、熟成されたオー・ド・ヴィー（原酒）がブレンドされることで、143年前と何ら変わらないクオリティのコニャックを今も味わうことができます。
レミーマルタン ルイ13世 ベリーオールド クリアケースは、バカラのクリスタルボトルに詰め込まれた時代そのものです。
ショーウィンドウのようにケースに収められたボトルは、眺めているだけでも気分が高揚する美しい佇まいです。
ただ、クリアケースの中には替え栓が付属していますが、この栓が使われることはなかなかないのかもしれません。