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伝統の３回蒸留で有名なスコッチウイスキー「ローズバンク」

■全７種類リリース予定のローズバンク・ローゼスシリーズ

「純潔（INNOCENCE）」という意味を持つ白いバラがラベルに描かれた「ローズバンク ２１年 イノセンス」は、エリクサー・ディスティラーズが手掛けたローズバンクのローゼスシリーズ第二弾として、２０１８年に６６１本限定で販売された希少性の高い１本です。
２０１６年に発表されたシリーズ第一弾「ローズバンク ２１年 トゥルーラブ」を含む全７種類のリリースが予告されている期待のシリーズでもあり、１９９３年の閉鎖から２５年以上が経つ幻の蒸留所「ローズバンク」の原酒を使っているということで、世界中のウイスキーファンが注目している銘柄でもあります。
伝統製法による３回蒸留で上品な味わいに仕上がったローズバンクは、気分が落ち着く穏やかなフローラル香とシルキーな甘さがまさしく「ピュア」という表現にふさわしく、ライトな飲み口で贅沢なひと時を演出してくれます。
多くの評論家たちを唸らせるローズバンクのクラシックスタイルとエレガントな風味は予想以上に壮大で、「ローランドの王」と称され一世を風靡したさすがの風格を感じざるを得ません。

■１９９３年に閉鎖した幻の蒸留所

ローランドモルトを象徴するローズバンク蒸溜所でウイスキーづくりが始まったのは１８４０年のこと。
スコットランドの南、フォルカーク市キャメロン村の運河沿いにあったキャメロンのモルティング施設をジェームズ・ランキン氏が買い取り、新たな蒸留所として操業を開始したのがローズバンク蒸溜所でした。
３回蒸留に代表される伝統的なウィスキー作りにこだわり、品質を保ってきた小さな蒸留所が立ち並ぶエリアとして知られたかつてのローランド地区。
もちろん、ローズバンク蒸留所も同じくローランドの伝統を重んじた小さな蒸留所の一つでした。
１８３０年代に始まった産業革命の波がイングランドに近いローランド地方にも押し寄せ、都市を中心に機械式の大規模ウィスキー工場が立ち並ぶようになると、ローランドの伝統的な製法は時代遅れとなり次々と小さな蒸留所が閉鎖へ追い込まれるようになります。
その波に追い打ちをかけるが如く、公共事業の道路工事で立ち退きを要求されたローズバンク蒸留所は１９９３年５月を最後に稼働停止となり、惜しまれながらも閉鎖されてしまいました。

■ローズバンク蒸留所の今後

１９９３年の閉鎖から２５年以上の年月が経ち、今では「幻の蒸留所」とまで呼ばれるようになったローズバンク蒸留所は、２０１７年に再稼働が発表されています。
これまで何度も再開のウワサはあったものの具体的な目途が立つことはなくこれまで実現には至りませんでしたが、ブレンダーも行うインディペンデント・ボトラー「イアン・マクロード社」がディアジオ社から商標権を買い取ったことにより、ウイスキーファン待望のローズバンク復活が正式に現実となったのです。
閉鎖から四半世紀に及ぶ沈黙を破るべく、ローズバンク蒸留所の再稼働を世界中が待ち望む今、ローランドモルトの新たな１ページが始まると業界全体から大きな期待が寄せられています。