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こだわりが強すぎることが日本で知られていない最大の理由

■創業者の強いこだわりが孤高のメゾンと呼ばれる一番の理由

「シャンパーニュメゾン・サロン」を興したのは、すでに毛皮商として成功を収めていたウジェーヌ・エメ・サロン氏で、1920年のメゾン創業時は成功した毛皮商として、フランスの社交場レストランであるマキシムにも出入りしていたほどでした。
毛皮商として成功していたにもかかわらず、彼を新しい道へと向かわせたのはシャンパーニュでした。
シャンパーニュに惚れこむあまり自分自身で至高のシャンパーニュを作ろうと思い立ち、シャンパーニュづくりに着手することになったのです。
至高のシャンパーニュを作りたいというウジェーヌ・エメ・サロンの想いは、サロンと名付けたメゾンにおけるシャンパーニュづくりにさまざまな特徴を与えたことから、結果的に彼の望んだ通りの至高のシャンパーニュが完成したのでした。
しかしながら、創業から100年の間に世に送り出したシャンパーニュの数は、わずか30数銘柄にすぎません。
その理由は、サロンで作るにあたっては単一であることにとことんこだわったからです。
その結果、生産本数は限りなく少なく、いつしか孤高のメゾン、幻のシャンパンと呼ばれるようになっていました。

■強いこだわりは間違いではなかったと歴史が証明

1920年の創業以来、ウジェーヌ・エメ・サロンが徹底してこだわり抜いたのが、単一クリュであること、単一のブドウ種であること、そして単一ヴィンテージでした。
この信念のために、サロンがシャンパーニュを作るのは3つの条件がピッタリと一致した年に限られたため、むしろ作らない年のほうが多かったのではないでしょうか。
100年の間にたった30ヴィンテージという数しか誕生しなかったことからも窺えます。
作らないという選択肢を採ったこともあり、サロンはシャンパーニュのヴィンテージ期間にも強いこだわりを持っています。
3年の熟成期間を経ればヴィンテージとなるシャンパーニュにおいて、10年、30年、さらには50年といった長いスパンで熟成できるものだけを作るというのが、単一だけでなくシャンパーニュメゾン・サロンのもう一つのこだわりであるからです。
この強いこだわりが、シャンパーニュの中では異例ともいる長期間の熟成ヴィンテージを生み出し、いまではシャンパーニュ好きでこの孤高のメゾンの存在を知らない人はいないと言える地位を築きました。
徹底的にこだわり抜いてシャンパーニュを作ることが結果的に正しい選択であったというのは、サロンが刻んできた100年の歴史が証明しています。

■30数回の中で29回目にあたるヴィンテージ

最高品質であり、希少価値はかなり高いため、手に入れるのは非常に困難なのも、シャンパーニュメゾン・サロンの特徴です。
希少価値が高いとなると手に入れたいというコレクター魂に火が付きますが、なんといってもサロンがこだわり抜いて作った高品質シャンパーニュが一番の魅力となっています。
「サロン ブラン・ド・ブラン ル・メニル 1990」は、1911年に最初のヴィンテージが誕生してから、29回目に世に送り出されたシャンパーニュです。
サロン ブラン・ド・ブラン ル・メニル 1990の味わいの特徴は、上品な香りに、クルミを思わせるまろやかな熟成香が特徴で、サロンがこれまで世に送り出してきたたった30を超えるほかのシャンパーニュ同様に、手に入れることがたいへん難しい貴重なシャンパーニュとなっています。
それだけに、世界中のシャンパーニュ愛好家から、サロンが造り出すシャンパーニュには常に注目が集まっていると言え、手に入れるチャンスを虎視眈々と狙っていることでしょう。