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イタリアワインの至宝・サッシカイアが贈る名作ワイン

■イタリアワイン好きを魅了する逸品
サッシカイア(SASSICAIA)1985は、「石の多い土地」を意味するトスカーナの方言が名前となったヴィンテージワインです。
サッシカイアは、ティレニア海に面するトスカーナ州の西寄りにあるボルゲリの地にあるワイナリー・テヌータ・サン・グイドが生み出したワインとして大変よく知られています。
そして、イタリアワイン好きにサッシカイアを知らない人はいないとまで言わしめる、まさにイタリアワインの至宝です。

製造当初のサッシカイアは、地元でのみ消費されることを目的としたプライベートワインでした。
軽い口当たりのワインに慣れ親しんでいた地元のワイン愛好家たちの評価は低かったものの、これまで存在しなかった力強さを特徴とするボルドースタイルのトスカーナワインは、人々の注目を集めることにもなりました。
そしてサッシカイアは、驚異的な速さで世界のプレミアムワインへとみるみるうちに昇格していったのです。
以降30年の長きにわたって圧倒的な存在感と威厳を保ち、イタリアワイン好きを魅了し続け虜にしています。
サッシカイア1985はその洗練された上質の味わいと、古き良きボルドーの味わいも併せて堪能することができる絶品のイタリアワインです。

■ボルドー好きのオーナーが始めた作付け
サッシカイアを手掛けるワイナリーのテヌータ・サン・グイドのオーナーはインチーザ・デッラ・ロケッタ家で、マリオ･インチーザ侯爵がボルゲリの領主であったゲラルデスカ家の娘と結婚したことによって、マリオ･インチーザ侯爵は広大な土地を引き継ぐことになりました。
マリオ･インチーザ侯爵は無類のボルドー好きで、いつもボルドーワインを好んで愛飲していたのですが、第二次世界大戦によりフランスからのボルドーワインの輸入が途絶えてしまったのです。
そこで何とか自家消費用のボルドーワインを造るため、1944年にカベルネ・ソーヴィニヨンの苗木・ボルドーのシャトー・ラフィットを所有するロスチャイルド家から手に入れて作付けを行いました。
こうして栽培を始めたのが、サッシカイアのワイン造りの原点でした。
サッシカイアはその名前の通り石ころだらけの土地でしたが、実はボルドーワインの産地・メデック地区も同様に石ころだらけの畑だったため、カベルネ・ソーヴィニヨンを栽培するには最適の地質だったのです。
しかしボルドー好きのオーナーにとっては、まさに作付けと栽培にうってつけの土地でありました。

■サッシカイアの快挙
1960年代には自家消費用として造られていたワインでしたが、次第に高い評判を得るようになり、それとともにサッシカイアはワインの生産量を増やしていきました。
1970年代に入ると世界的な販売を開始し、1978年にはイギリスのワイン雑誌・デキャンタ誌主催のブラインド・テイスティングで、サッシカイアはその実力を世界に知らしめる快挙を成し遂げたのです。
世界11か国から33種類のワインが実力を競い合い、サッシカイアはあのシャトー・マルゴーを抑えてベスト・カベルネの座を獲得、一躍世界のトップワインへと躍り出たのです。
サッシカイアが発売された当初はカベルネ・ソーヴィニヨンの比率が85%を超えていたため、イタリアの法律でトスカーナの規定から外れた下位ワインの格付けで販売されていました。
しかしサッシカイアのワインとしてのクオリティは群を抜いており、トスカーナの規定をも超越した「スーパータスカン」と称されるようになりました。
さらに1980年代には全世界を巻き込んだ熱狂的なブームが起き、サッシカイア1985ヴィンテージはイタリアワインとしては初となるパーカーポイント100点を獲得しました。
ボルドーワイン好きのオーナーが自分のために造り始めたサッシカイアのワインは、世界中のワイン愛好家を虜にするほどの偉大なワインとなったのです。
そして、カベルネ・ソーヴィニヨン特有の深いボルドー色の美しさと果実感溢れる味わいは、今も世界中の人々から愛され続けています。