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シーグラムV.O.を凌ぐ人気ウイスキーだった銘酒のシーグラム83

■希少価値の高いシーグラム社の記念ボトル

「シーグラム 83」は「シーグラムV.O.」よりも人気があると言われた銘酒で、創業当時は共同経営だったシーグラム社が1883年に単独所有者となったことを記念して造られたカナディアン・ウイスキーです。
記念ボトルとしての発売だったために日本の国内市場はもちろん、中古市場でも滅多にお目にかかることのない大変貴重な銘酒となっています。
シーグラム社の熟練したマスターブレンダーたちがブレンディング技術を駆使して、「シーグラム 83」のライトでスムーズな香味を造り上げました。
メープルシロップとバニラを思わせる甘い香りとやわらかな口当たりが飲みやすいウイスキーに仕上がっています。
またカクテルベースに使用してもおいしいカクテルが出来上がるため、カクテルを造るにも最適な逸品です。

■「シーグラム」の礎を築いた創業者と銘酒の誕生

「シーグラム 83」や「シーグラムV.O.」を生み出したジョセフ・E・シーグラム＆サンズ社は、1857年にカナダ・オンタリオ州で創業しました。
創業者はジョセフ・エマ・シーグラム氏で、ジョセフ・E・シーグラム＆サンズ社の礎を築いて1924年にカナディアン・ウイスキーの「シーグラム・VO」を世に送り出したのです。
実はジョセフ・E・シーグラム＆サンズ社の創業者はジョセフ・エマ・シーグラム氏だけではなく、ほかに2人の人物がいました。
ジョセフ・エマ・シーグラム氏はその2人のうち一人の人物の娘と結婚し、義理の父と一緒に共同創業者の株を買い集めます。
こうして1883年にできたのが「ジョセフ・シーグラム製粉所・蒸溜所」で、ウイスキーの蒸溜は順調に進んでいきました。
カナディアン・ウイスキーの名を一躍世界に知らしめたのは1924年に発売された「シーグラムV.O.」でしたが、「シーグラム 83」はそれ以前の1887年にジョセフ・エマ・シーグラム氏自身の手によって造られたウイスキーです。
「シーグラムV.O.」は彼の息子の婚礼を記念に造ったウイスキーで、ベストセラーとなったことから「シーグラム 83」よりもよく知られています。
しかしウイスキー愛飲家の間では「シーグラム 83」の方が、「シーグラムV.O.」よりも銘酒だという考えの人も少なくありません。

■ブランドの発展と存亡の危機

「シーグラム 83」を生み出し、「シーグラムV.O.」のヒットによってジョセフ・E・シーグラム＆サンズ社の創業者・ジョセフ・エマ・シーグラム氏は国会議員にもなるなど地元の名士として知られる存在となりました。
ジョセフ・エマ・シーグラム氏が亡くなった1919年以降は彼の息子が事業を引き継ぎますが、息子の代になってジョセフ・E・シーグラム＆サンズ社は会社存亡の危機に直面します。
会社存亡の危機とはアメリカの禁酒法で、1916年のカナダでもこの禁酒法が施行されました。
それまで順調に経営を伸ばしてきたシーグラムでしたが、一気に経営は悪化の一途を辿っていきます。
この危機を救ったのがサミュエル・ブロンフマン氏で、ブロンフマン氏所有のディスティラーズ・コーポレーションは禁酒法を好機と捉えてウイスキーの増産に着手しました。
アメリカのウイスキー蒸溜会社の生産量が大幅に落ち込んだことによってブロフンマン氏のウイスキーは爆発的な売れ行きとなったため、経営が悪化していたシーグラム社を買収することにします。
この買収によってシーグラムは倒産の危機は乗り越えたものの、ジョセフ・E・シーグラム＆サンズ社の名前もブランド、そして生産設備さえもブロフンマンの手に渡ってしまいます。
その後も代々ブロフンマン一族が社長に就任してきましたが、2000年に酒造部門はペルノ・リカール社に売却されました。
そのため現在「シーグラム」のブランド名はペルノ・リカール社が使用しており、日本国内で販売される「シーグラム」はペルノ・リカール・ジャパン株式会社が手掛けています。