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■活動50周年を迎えたバンド、ローリング・ストーンズ

ローリング・ストーンズといえば言わずと知れたイギリスの伝説的ロックバンドです。
全盛期はあのビートルズと並ぶ人気を誇り、世界中の人々が曲を知っていた存在でした。
今も活動を続けており、バンドの中心メンバーであるミック・ジャガーやキース・リチャーズは精力的に演奏を行なっています。
そんなローリング・ストーンズは2012年に結成50周年を迎え、世界中でその功績に敬意を表するイベントが行われました。
日本でも記念商品が多くリリースされたのですが、ウイスキー業界を長年にわたってリードするサントリーもそこに名を連ねる企業の一つでした。
サントリーは2012年7月12日、ローリング・ストーンズが初めてライブを行った記念日に合わせて「ストーンズバー」という商品を発売します。
このストーンズバーは多種多様な商品展開をしており、ウイスキーだけでなくビールやカクテルなどが併せて販売されました。
とはいえ、ストーンズファンのみならずウイスキー愛飲家をも魅了したのはローリング・ストーンズのアイコンである赤い舌をデザインに取り込んだ豪華なボトル入りウイスキーでしょう。

■ローリング・ストーンズにとって大事な年の原酒を混ぜこんだウイスキー

ストーンズバーはブレンデッドウイスキーとして仕上げられています。
ブレンデッドウイスキーであるからには様々な原酒を混ぜ合わせることによってウイスキーが出来上がっているのですが、サントリーはここでもローリング・ストーンズに向けた敬意を表しています。
たとえばストーンズバーには1972年に製造された山崎のモルトが配合されているのですが、この年は「メインストリートのならず者」というアルバムが発売された年でした。
このアルバムはキース・リチャーズが最高傑作と表するくらいメンバーが自信をもって送り出したものであり、並々ならぬ意欲をもって作られたのです。
サントリーはこうした事情をくみ取った上で1972年に作られた原酒を採用したのですが、工夫はその他にも見られます。
1990年にはローリング・ストーンズが初めて来日しコンサートを行った年でした。
もちろんサントリーはそれを知った上で、同じ年に作られた白洲モルトと知多グリーンをブレンドしています。
このように徹底したリスペクトによって成り立っているのがストーンズバーという商品なのです。
もちろん味も折り紙つきで、一口飲むとスパイシーな香りが広がるかと思えば、だんだんと味わっているうちにココナッツを思わせる甘みも出てくるという、様々な味を混ぜ込んだウイスキーとなっております。
それはまさに、様々なジャンルの音楽を採り入れて50年もの間活動を続けたローリング・ストーンズを表現するような味だといえるでしょう。

■サントリーの創業者が亡くなった年に結成したローリング・ストーンズ

なお、サントリーとローリング・ストーンズはこの他にもちょっとした縁で結ばれています。
先程も申し上げたようにローリング・ストーンズは1962年に結成されたのですが、実はサントリーの創業者である鳥井信治郎は同じ年に83歳で亡くなっていたのでした。
鳥井は日本に初めてウイスキーをもたらした人物の一人ですが、その事実からわかる通り開拓精神に満ち溢れた人でした。
彼の努力によってサントリーという企業は成長を続け、世界的に知られる存在となったのです。
そして、ローリング・ストーンズも鳥井と同じように日々研鑽をつみながら世界的ロックバンドに上り詰めた存在です。
ストーンズバーはそんなローリング・ストーンズのみならず鳥井の精神を尊重した末に編み出された商品なのかもしれません。
ストーンズバーはローリング・ストーンズのメンバーにも気に入ってもらえたようで、ミック・ジャガーは面白い商品だと絶賛していました。
現在は残念ながら生産が打ち切られていますが、今でもオークションなどでは手に入れられることができます。
もし見かけたら、ローリング・ストーンズの曲を聞くような気分で味わえるストーンズバーを、是非ご賞味してみてください。