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より飲みやすく仕上げたニッカのザ・ブレンドシリーズの丸瓶


■飲みやすさを追求して誕生したウィスキー「ザ ブレンド オブ ニッカ 丸瓶」

「ザ ブレンド オブ ニッカ 丸瓶」は1994年に発売されたニッカウヰスキーの「ザ・ブレンド」シリーズの一つで、四角いボトルデザインとなっている「ザ・ブレンド」とは違って丸いボトルが使われています。
また「ザ・ブレンド」のアルコール度数が45度に対し、「ザ ブレンド オブ ニッカ 丸瓶」のアルコール度数は40度と若干低めに抑えてあるのが特徴です。
この5度アルコール度数を下げたことによって口当たりが柔らかくなり、コクの深さがより一層増して飲みやすくなりました。
「ザ ブレンド オブ ニッカ 丸瓶」は「ザ・ブレンド」を構成するブレンドに加えて、大麦のみを原料にして造られたグレーンウィスキーがブレンドされているのが特徴です。
このグレーンウィスキーはニッカウヰスキーが誇るカフェ式連続蒸溜器（カフェスチル）で造ったカフェモルトで、三番目の素材としてブレンドしたことで柔らかな口当たりと飲みやすさ実現につながりました。
ニッカウヰスキーが世に送り出した数々の銘酒たちと同様に、「より多くの人にウィスキーを楽しんでもらいたい」との創業者・竹鶴政孝の想いが継承されているのがこの「ザ ブレンド オブ ニッカ 丸瓶」です。

■今では全てが終売となった「ザ・ブレンド」

ニッカウヰスキーの「ザ・ブレンド」が発売されたのは1986年のことで、モルト原酒をベースにグレーン原酒をブレンドしたブレンデッドウィスキーでした。
四角い形をしたボトルのデザインを担当したのはプロダクトデザイナーの原研哉で、ラベルのデザインは佐々木豊が手掛けました。
「ザ・ブレンド」が発売された以降は「ザ・ブレンド17年」が1986年11月に発売され、1989年4月に発売された「ザ・ブレンドセレクション」とともに2011年3月に終売となりました。
その後1994年3月にリリースとなったのが「ザ ブレンド オブ ニッカ 丸瓶」で、1997年3月には「ニュー・ブレンド丸瓶」が発売されます。
その間に地域限定商品として「ザ・ブレンド 神戸」が1991年にリリースされましたが、2015年8月で終売となりました。
2012年に販売を終了した「ニュー・ブレンド丸瓶」に続くように、1986年に産声を上げた「ザ・ブレンド」が2015年8月に姿を消します。
これで「ザ ブレンド オブ ニッカ 丸瓶」を含む全ての「ザ・ブレンド」のラインナップが終売を迎えることとなり、ニッカウヰスキー繁栄の一翼を担った「ザ・ブレンド」シリーズは、ニッカファンに惜しまれつつ伝説のウィスキーとなりました。

■伝説のウィスキーを造り上げた情熱の人

「ザ ブレンド オブ ニッカ 丸瓶」は「ザ・ブレンド」の卓越したブレンディング技術を受け継いだブレンデッドウィスキーで、このブレンディング技術はニッカウヰスキーの創業者・竹鶴政孝が極めたものでした。
ニッカウヰスキーが所有する余市蒸溜所と宮城峡蒸溜所には貴重な原酒が数多く保管されており、それぞれの原酒の個性を引き出しながら仕上げるブレンドは繊細さと緻密さが要求されます。
そのほか原酒を嗅ぎ分ける嗅覚と確かなブレンド力など、ブレンダーに求められるハードルは非常に高いといっても過言ではありません。
初代マスターブレンダーでもあった竹鶴政孝は、ウィスキーのブレンドに対して妥協するということは一切なく、満足するウィスキーができるまで何度もブレンディングを行ったといわれています。
政孝はウィスキー造りにその生涯を注いだ情熱の人とも呼ばれており、ジャパニーズ・ウィスキーの発展に大きな功績を残したことから「日本のウィスキーの父」と讃えられている人物です。
しかし政孝はあくまでも「おいしいウィスキーを多くの人に飲んでもらいたい」との一心で、日々ウィスキー造りに取り組んでいました。
特にニッカウヰスキーの象徴であるカフェスチルは政孝自身が導入を決めた蒸溜器です。
この蒸溜器を使って造られたモルト原酒を使用する「ザ・ブレンド」はニッカウヰスキーにとって特別な存在です。
そして政孝の想いと姿勢は2代目マスターブレンダーの竹鶴威（たけし）へと引き継がれ、「ザ ブレンド オブ ニッカ 丸瓶」にはニッカが誇るブレンディング技術が受け継がれています。