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ザ・ブレンドシリーズ最上位にランクされる「ザ ブレンド オブ ニッカ 17年」


■シリーズ最上位にふさわしい味と香り

「ザ ブレンド オブ ニッカ 17年」は1986年にリリースされたブレンデッドウィスキーで、2011年に終売となった商品です。
四角形のボトルデザインはグラフィックデザイナーでありプロダクトデザイナーである原研哉が、そして小さなラベルデザインは佐々木豊が手掛けました。
「ザ・ブレンド」シリーズの中でも最上位の高級ウィスキーに当たるのがこの「ザ ブレンド オブ ニッカ 17年」で、17年という熟成期間を経た原酒の風味が凝縮された逸品です。
「ザ・ブレンド」は余市蒸溜所と宮城蒸峡留所が所有するモルト原酒とグレーン原酒を厳選してブレンドしているウィスキーで、通常はモルトウィスキーのほうが比率が高くなりますが「ザ・ブレンド」はグレーンウィスキーの比率を高くすることで飲みやすさを実現しているのが特徴です。
モルトウィスキーの豊かでコクのある香りと、グレーンウィスキーの口当たりと飲み口の良さが見事に調和している点も「ザ・ブレンド」の魅力といえるでしょう。
そんな飲みやすさを追求した「ザ・ブレンド」の中でも熟成年数17年以上のモルトとグレーンの原酒樽を厳選した「ザ ブレンド オブ ニッカ 17年」は、まさにシリーズ最上位に君臨するのにふさわしいウィスキーとなりました。
17年以上の原酒がブレンドされたその味わいは「ザ・ブレンド」より濃厚で、深いコクと芳醇な香りを醸し出しています。
大切な人への贈物として、また記念日などの特別な日を祝うときにぜひおすすめしたい銘酒です。

■「ザ・ブレンドオブニッカ」との違い

17年以上の熟成期間を経たモルト原酒とグレーン原酒をブレンドしているだけあって、「ザ ブレンド オブ ニッカ 17年」は「ザ ブレンド オブ ニッカ」よりも濃い目の琥珀色をしています。
ボトルのデザインやラベルはほぼ同じですが、きらめくゴールドの文字で刻印された「17」が高級感を漂わせる仕上がりとなっているところだけは異なります。
「ザ ブレンド オブ ニッカ」シリーズには丸いフォルムのデザインを採用したボトルや、ウィスキーのボトルとしては非常に珍しい六角形の形をしたボトルもあります。
六角形ボトルの「ザ ブレンド オブ ニッカ セレクション」は「ザ ブレンド オブ ニッカ 17年」の次に位置するシリーズ上位ウィスキーで、こちらのボトルも芸術性に富んだデザインとして話題になりました。
現在「ザ ブレンド オブ ニッカ」シリーズは全ての商品が終売となったため、入手困難な銘柄がほとんどです。
中シリーズ最高クラスと称される「ザ ブレンド オブ ニッカ 17年」の人気は高く、市場に流通している数もほんのわずかであると考えられます。
もしも目にする機会があれば、ぜひ手に入れて17年熟成の味わいを堪能してはいかがでしょうか。

■高度なブレンド技術が要求されるブレンダー

ニッカウヰスキーの創業者であり初代マスターブレンダーの竹鶴政孝は、ジャパニーズウィスキーの礎を築いた優れたウィスキー製造技術者として「日本のウィスキーの父」と称されています。
政孝のブレンド技術は非常に高度で、数多くの原酒を所有するニッカウヰスキーの原酒の個性を引き立て、これまでに数々の銘酒を生み出したことはあえていうまでもありません。
1940年にニッカウヰスキー初の蒸溜所となった余市蒸溜所で完成したウィスキーは、前身の大日本果汁株式会社の「日」と「果」の字を取って「ニッカウヰスキー」と命名しました。
また宮城蒸峡留所の建設時にはすぐそばを流れる新川（にっかわ）の水をブラックニッカで割り、その風味に政孝が納得したことから建設場所が決まったといいます。
ほんの少しの水割りを飲んだだけで良質の水であると判断できる力もブレンダーには欠かすことのできない重要な素質です。
また政孝が1962年に造った「スーパーニッカ」は、1961年に亡くなった愛妻・リタに捧げられたウィスキーとして知られています。
哀悼と感謝を込めて造り上げられたそのウィスキーは、甘く芳醇な香りとバランスの取れたまろやかな味わいのブレンデッドウィスキーです。
多くの原酒の中から選び抜いたとされる「スーパーニッカ」は、政孝の人生の集大成ともいうべきウィスキーとなりました。
その卓越したブレンド技術は現在のブレンダーたちに受け継がれ、「ザ ブレンド オブ ニッカ 17年」などの銘酒を生み出すことにつながっています。