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サツマイモの旨味が凝縮された手に入りにくい月の中 限定原酒 妻 39度

■手に入りにくい手塩にかけた原酒が楽しめる
月の中 限定原酒 妻 39度は家族4人だけで全行程を手作業で焼酎造りに励む宮崎県西都市にある岩倉酒造場が紡ぎ出す、珠玉の焼酎です。
「月の中」は岩倉酒造場がある地名の月中から採ったもので、岩倉酒造場の代表銘柄です。
その看板商品である月の中の原酒を1年熟成したもので、芋の旨みが凝縮された限定品となっています。
原料はサツマイモの黄金千貫と白麹で、常圧蒸留法で製造されています。
岩倉酒造場は家族経営のため、全体の生産量もごくわずかなうえ、原酒の出荷量はさらにわずかに過ぎません。
そのため、選ばれし酒店の中でも入荷量はごくわずかとなり、すぐに完売となってしまうため、1人1本限定販売なとなっているケースも多く、見つけたら即買いがおすすめです。

■岩倉酒造場の歴史
岩倉酒造場は宮崎市街地から車で30分ほどにある、三財地区・月中（げっちゅう）に位置しています。
創業は約160年前で、現在の当主で4代目となります。
戦後までは「月中の焼酎屋」として地域の方に親しまれていましたが、ワインブームなど洋酒人気の煽りを受け、一時期は大変経営が厳しくなった時代もありました。
ですが、現当主の岩倉幸雄さんと、それを支える奥さんの伝統を絶やしたくないという熱意と努力で苦境を乗り越えてきたのです。
高卒で家業を継いだ当時は杜氏も雇っていたため、自ら焼酎づくりをすることはほとんどありませんでした。
昭和41年に結婚した後、数年も経たないうちに列島改造の嵐が吹き荒れることになります。
それまでは1年の半分は農家として生計を立て、残りを焼酎造りに当てていましたが、農業での収入を得ることが難しくなります。
そこで、焼酎造り1本に絞り込んだものの、人も雇えなくなって9割方をご主人1人で焼酎造りを行った時代もありました。
そんなご主人を支えた奥さんのサポートと、岩倉酒造場の歴史を知る地元の方の励ましもあって、焼酎造りの火を絶やすことなく頑張ってきました。
そんなご両親の姿を見て、一度、県外に出た息子さんや娘さんが地元に戻り、今では家族4人揃って焼酎造りをしています。
わずか4人の人で芋を下処理する作業から焼酎造り、瓶詰めに至るまで、すべて昔ながらの手作業で行っているため石高（生産量）は極めて少量です。
しかも、丁寧に造られた美酒として人気が高いので、常に品薄状態で入手困難な焼酎となっています。

■丁寧で丹精込めた焼酎造り
岩倉酒造場では昔ながらの焼酎本来のしっかりとした味をモットーに、原料にもこだわっています。
サツマイモを仕込むその日の朝に、使う分だけ地域の契約農家から買い付けます。
儲け至上主義のメーカーでは、品質を問わず安い時に大量にまとめ買いをするケースがありますが、それでは良い焼酎はできません。
古く痛んだものではなく、新鮮なサツマイモを使わなくては良い味は出ないからです。
そのため、サツマイモの収穫を迎える8月のお盆あけ頃から岩倉家は忙しくなります。
10月まで続く仕込みシーズンの幕開けで、シーズン中は麹造りと焼酎の仕込みを同時並行で進めていきます。
サツマイモは掘り上げたらすぐに仕込むことを基本に、鮮度が新しいうちに洗って選別し、翌日には麹と合わせて仕込まれます。
仕込みに使う水は、昔から変わらない清廉な井戸水です。
1回の仕込みで約1トン半のサツマイモを用いるため、1回あたり4人でも1時間半が費やされます。
その後の選別では1つひとつを丁寧にチェックし、変色や悪い部分がないかを確認しています。
皮むきも徹底的に手作業で行い、丁寧に仕込まれていきます。
丹精込めて造られた焼酎は、芋本来の風味が感じられるながらも、芋特有の尖がりやえぐみなどがまったく感じられない、まろやかな味わいで芋焼酎が苦手な方にもおすすめです。
完成した焼酎の瓶詰めやラベルシール張り、出荷作業まですべての工程を手作業で行っているため、出荷できる量はごくわずかですが、それゆえに稀少性も高いのです。