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■シェリー樽熟成のウイスキーが持つ特徴とは

ウイスキーにはタイプの異なる様々な味わいがありますが、銘柄の個性にもなり得るウイスキーの風味を構成する中で最も重要なポイントとなるのが樽による熟成です。
樽の中でじっくり熟成される時間の長さによってウイスキーは琥珀色に色づき、味わいや香りの深みが決まります。
この重要な熟成工程に用いられる一般的な２種類の樽、それがバーボン樽とシェリー樽です。
濃厚な芳醇さとフルーティーな仕上がりに一役買うシェリー樽で熟成されたウイスキーは、夜のほっとするひと時に味わう一杯や寒さがカラダに染みわたる冬にホッと一息つく一杯としても最適です。
一概にシェリー樽と言ってもその種類は様々あり、フィノシェリーやオロロソシェリー、ペドロヒメネスシェリーなど樽に用いたシェリー酒の種類（ブドウの品種）によってウイスキーの味や香り、色合いに影響する要素は異なります。
また、ウイスキーの熟成に使う際にシェリー樽を払い出した後の樽を何回使用したかによっても与える影響は違います。
ウイスキーを仕込んだ回数によって、ファーストフィルやセカンドフィルなどと呼ばれるのはそのためです。
一筋縄ではいかないウイスキーの製造過程は知れば知るほど面白く、色や風味の違いも奥深い物になるでしょう。
世界中のウイスキーファンが、たとえ高額なプレミアム価格の銘柄でも買い求めるウイスキーがあるということにも納得です。

■グラスボトルデザイン優秀賞を受賞したウイスキーボトル
「蔦蔵１６年」は、春夏ラベル・秋冬ラベルともに、２００５年に開催された「ガラスびんデザインアワード」において、「グラスボトルデザイン優秀賞」を受賞しています。
「ガラスびんデザインアワード」は、１９５２年に発足した日本ガラスびん協会の主催により毎年日本で行われている品評会で、募集によってエントリーされたガラスびんから時代を映し出すデザイン性や機能性、環境性やオリジナリティなどをデザイナーや様々な著名人が審査して、その年の優秀作品を決定しています。
蔦蔵は、インテリア・プロダクトデザインの内田繁氏を審査委員長に迎えた２００５年のガラスびんデザインアワードで優秀賞に選ばれました。
ウイスキーの琥珀色がハッキリと映えるクリアでシンプルなフォルムのガラスボトルでありながら、波打つようなガラス表面は蔦で覆われた熟成庫を彷彿とさせる個性的なデザインが施されており、ラベルに使われた和紙がなんとも日本らしくハンドメイドの温もりが伝わる上品な仕上がりになっています。
今では滅多にお目にかかれない中野生活文化研究所とメルシャン株式会社による共同開発で生まれた「蔦蔵１６年」は、ウイスキーボトルのコレクターにとって垂涎の的とも言える１本なのではないでしょうか。

■閉鎖蒸留所の貴重なシングルモルトウイスキー

「蔦蔵１６年」は、２０１２年に惜しまれながらも閉鎖した軽井沢蒸留所で貯蔵された原酒が用いられています。
軽井沢蒸留所はかつてメルシャンが所有していた蒸留所で、日本屈指の活火山「浅間山」の南麓に抱かれた長野県御代田町で稼働していました。
浅間山水系の水を仕込みに使い、ウイスキーが眠る場所として理想的な温度と湿度を保てるように建物を蔦で覆うという、世界的にも稀で特徴的な熟成庫があったことでも知られています。
軽井沢ならではの冷涼な気候と相まって、日本独特の四季の移り変わりにも影響を受けない素晴らしい環境が整えられていたことが窺い知れます。
「蔦蔵（TSUTAGURA）１６年」はまさにこの熟成庫を彷彿とさせるネーミングでリリースされました。
中野生活文化研究所が酒造メーカー・メルシャンと共同で開発した「蔦蔵１６年 秋冬ラベル」は、プレーンタイプの樽で熟成した春夏ラベルよりも濃い色をした褐色が特徴的で、華やかなフレーバーと独特の甘みがシェリー樽熟成の仕上がりらしい味わいとなっています。
市場に流通している本数しか入手できない大変貴重な閉鎖蒸留所のウイスキー「蔦蔵」は、今後ますます価格高騰が見込まれます。