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■1986年蒸留で伝統のシェリー樽で熟成
サントリーピュアモルトウイスキー山崎 シェリーウッド１９８６は1986年に蒸留されたモルト原酒を山崎蒸留所で縁あるシェリー樽に詰め、10年から15年の熟成期間を経て厳選した樽から出されてボトリングされ、2003年に発売されたものです。
京都の山深い静かな環境にある山崎蒸留所は1923年開設ととても古い歴史を持ちますが、大阪で製作された和製蒸留釜を用いて翌年の1924年に初めて蒸留されたモルト原酒が詰められた樽もサントリーピュアモルトウイスキー山崎 シェリーウッド１９８６と同じスパニッシュオーク製のシェリー樽でした。
当時のシェリー樽はどのように造られ、手に入れたのかは分かりませんが、現在でもシリアルナンバー0001の番号を付されたシェリー樽が山崎蒸留所の貯蔵庫に保管されているといいます。
最初の蒸留から60年余りの時を経た時代には、山崎蒸留所のチーフブレンダーをはじめとする職人たちがスペインまで足を運び、スパニッシュオークの森を歩いて樽材を厳選しています。
ウイスキーの樽にするのにふさわしい木を選んで伐採し、それをスペインの伝統と信頼ある製樽業者に預けて、細かなオーダーをして樽にしてもらいます。
さらにスペイン伝統のワインであるシェリーの熟成に3年間使われた後で、日本に持ち込まれて山崎蒸留所で蒸留されたモルト原酒が詰められ、貯蔵庫で眠りにつくのです。

■シェリーウッド熟成の特徴
シェリー樽として利用されるスパニッシュオークは、北アメリカ原産のホワイトオークに比べて赤みがあり、タンニンやポリフェノールが豊富に含まれた木材です。
そのため、スパニッシュオーク製のシェリー樽でモルト原酒を熟成させると、樽材からタンニンやポリフェノールなどが浸透して、赤みを帯びた色合いとなり、ほのかに苦味のある味わいになります。
一方、芳醇な白ブドウから造られるシェリー酒を熟成させた樽なので、レーズンやアプリコットなどのドライフルーツのような甘みと酸味も宿り、甘やかな香りも楽しめます。
甘酸っぱい香りと味わいの中にも、ビターチョコレートのようなほろ苦さを感じるギャップも楽しいのが、シェリーウッド熟成の魅力です。

■チョコレートとの相性も抜群
サントリーピュアモルトウイスキー山崎 シェリーウッドのウイスキーは、1982年、1984年、1985年の蒸留バージョンが発売され、2003年に１９８６が発売されて以降は登場していません。
ですが、2009年には山崎シェリーウッドと有名チョコレートとのコラボレーションが実現しています。
バレンタイン限定の生チョコレートとして、山崎シェリーウッドを練り込んだ製品が北海道の人気チョコレートメーカーから限定販売されました。
シングルモルトウイスキー山崎の味わいを深めるオリエンタルな樽であるミズナラ樽は、北海道の富良野の林から調達されていますが、そういった意味では山崎蒸留所と縁の深い場所にある生チョコレートで有名な会社です。
北海道産の生乳から作られた生クリームをたっぷりと使って柔らかな食感が楽しめる生チョコレートの中に、甘やかで華やかで重厚なコクも持つ山崎シェリーウッドがたっぷりと練り込まれています。
チョコレートを口に含むと滑らかで円やかなチョコレートの食感とともに、山崎シェリーウッドの味わいがじんわりと舌に広がっていきます。
山崎シェリーウッドと生チョコレートの相性も抜群ですが、さらにそれを山崎１２年とマリアージュさせると絶妙とされ、バレンタインの時期に多くの男性を魅了したものです。
山崎１２年のまろやかな味わいと、シェリーウッドのほろ苦さを感じる、ややビターなチョコレートの味わいと生チョコならではの滑らかさが引き立てられて、至福の時を楽しめるのです。
ビターチョコレートのようと表現される山崎シェリーウッドは、本物のチョコレートとも相性がよく、さらにシングルモルト山崎とも楽しめます。