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■山崎イコール手が出ないというイメージ

サントリーが世に送り出すシングルモルトウイスキー山崎は、何年という年数が付いていることでお馴染みです。
現在のところ、4種類が販売されており、年数が付いているのは、12年、18年、25年です。
ここへ新たに加わったのが2012年に発売された新山崎で、14年ぶりにラインナップに加わったというのですから、単純にびっくりする人も多いでしょう。
いわば、何年という記載がないものは必要ないと考えるウイスキーファンが多かったといえますし、ノンエイジの山崎は山崎ではないと考えていた人も多かったのかもしれません。
とはいえ山崎イコール高価で手が出ないというイメージから、飲んでみたいのはやまやまだけれど諦めていたという人にとっては、新山崎の登場は願ってもないことでした。

■年数が増えれば値段も上がるのは納得

現行の4種類ある山崎のうち、12年、18年、25年と年数が増えるにつれて値段が高くなっていくのは、容易に想像がつきます。
700ｍｌを基準に12年は8500円、18年は25000円、25年は125000円とかなりの高価になります。
過去には山崎50年が限定50本で販売されたことがあり、価格は驚きの100万円でしたが、即日完売しました。
その後、さらに2度にわたって販売されたもののどちらも同じく即日完売で、現在は稀にオークションに出品されるくらいでしかお目にかかることができない、超レアものです。
2018年に香港のオークションに登場し、なんと3250万円で落札されたというのですから、もはや伝説のウイスキーといっても過言ではありません。
これらの逸話と、現行の販売品がたとえ12年であっても庶民にとっては高価なことから、山崎は値段が高いというイメージがすっかり定着してしまいました。

■なぜ山崎なのか

ウイスキーファンをこれほどまでに虜にしてしまう山崎とは、いったいどのようなウイスキーなのでしょうか。
山崎はその名が示す通り、山崎という場所で作られています。
山崎は名水の湧き出る場所として知られており、その水は良質のウイスキーを作るスコットランドと同じ軟水で、ミネラルバランスも抜群に良かった上に、ウイスキー作りの環境としても申し分ありませんでした。
サントリーの創始者鳥井新治郎は、スコットランドウイスキーの権威として知られていたムーア博士の心を持ち前の情熱で揺り動かし、門外不出とされていたウイスキーの醸造法を教わってきたとされています。
門外不出の醸造法に、スコットランドの上質なウイスキーを作り出すのと同じ水と環境という条件が揃ったことが、山崎を国内はもちろん世界中に名酒として知らしめることになったのです。

■新山崎の魅力とは

新山崎というのはノンエイジ商品で、年数が記載されている山崎と区別するための通称です。
正式には、単に山崎というラベル記載で販売されています。
新山崎は、ワイン樽貯蔵モルトをはじめ、ミズナラ樽貯蔵モルトなど複数の原酒をヴァッティングして作られているのが特徴です。
サントリー山崎蒸留所は世界でも稀な多彩な原酒の作り分けを可能にしていることから、複数の原酒を使って作ることで、山崎というウイスキーを真似のできない物にしています。
さらに味覚に優れたブレンダーの活躍も、山崎を特別なウイスキーにしているのは間違いなく、その結果サントリー山崎蒸留所からは世界で多くの賞を受ける名酒が誕生することになったのです。
新山崎の価格は700ｍｌで4200円ということで、毎日飲める人もいれば、新山崎でさえも特別な時だけという人もいるでしょう。
いずれにしても手に入れられる価格帯になったことが最大の魅力といえます。

■ノンエイジでも品薄状態

ハイボールブームにテレビの朝ドラでウイスキーに興味を持つ人が増えたこと、さらに山崎が国際的な賞を受ける機会が増えたことで海外からの需要も高まったことなどを受け、山崎のすべてが慢性的な品薄状態に陥っています。
庶民にもようやく手が届くとしてノンエイジの新山崎を楽しみにしていた人も多かったのですが、ノンエイジでさえもあっという間に買い占められ、なかなかお目にかかれない状況が続いています。
ネットサイトで購入することは可能ですが、メーカー希望小売価格よりもはるかに高くなっていて、定価で買える日が来るのはしばらくお預けのようです。