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■90周年記念の数量限定品
サントリーシングルモルト山崎 ヘビリーピーテッド２０１３は山﨑蒸留所が1923年に開設され、サントリーでウイスキー造りが始まって90周年を記念して特別にヴァッティングされた数量限定品です。
2013年4月23日より、販売価格9,000円（税抜き）で発売されました。
シングルモルト山崎を構成する多彩な原酒の中から、ヘビリーピーテッド原酒という原酒を厳選してヴァッティングさせています。
モルトウイスキーの原料となる麦芽を乾燥させる際に、ピートを燻した煙をやや強めにして作られた麦汁を発酵させて蒸留し、熟成させたものです。
ピートはウイスキーにスモーキーフレーバーという独特な香りをまとわせるために欠かせないもので、ウイスキーの本場であるスコッチウイスキーの多くがこうしたスモーキーな香りをまとっています。
もともとビートはスコットランド北部が原産の植物ヒースと水性植物などが炭化されて作られた泥炭です。
このビートを麦芽を乾燥させる際に使うと、スコッチ特有のスモーキーフレーバーが醸し出されるのです。
香りのイメージとしては燻製やビスケットのような香ばしさやピーチのような香りとともに、厚みを感じられるしっかりとした甘みのある味わいが出ます。
スモーキーなフレーバーが余韻までしっかりと続くのも魅力で、ウイスキー通の方には特に好まれるフレーバーとなっています。
アルコール度数も48度と力強く繊細なフレーバーを生む、シングルモルトの山崎づくりに欠かせないモルト原酒を特別に取り出して作り上げたのがサントリーシングルモルト山崎 ヘビリーピーテッド２０１３なのです。

■いつもは構成原酒の1つ
サントリーシングルモルト山崎 ヘビリーピーテッド２０１３ではヘビリーピーテッド原酒の個性を際立たせた仕上がりとなっていますが、通常のシングルモルト山崎においては、ヘビリーピーテッド原酒は山﨑を構成する多彩な原酒の1つとして利用されています。
ヘビリーピーテッド麦芽を仕込んで醸成されるため、力強くも繊細でスモーキーなモルト原酒となります。
このヘビリーピーテッド原酒をごく少量ブレンドすることで、シングルモルト山崎の味わいに奥深さや複雑さを与えてくれ、なくてはならない原酒の1つなのです。

■ウイスキー造り90年の歴史
山崎蒸留所が開設されたのは2013年から遡ること90年前の1923年で、日本では大正12年にあたります。
これほど古い昔の時代、海外に行ける機会も極稀な時代にスコットランドを本場とするウイスキー作りが日本でスタートしたのです。
山崎蒸留所は日本最古のモルトウイスキー蒸留所といわれており、サントリーの創業者である鳥井信治郎がスコットランドから文献を取り寄せるなどして、独学でスコットランドのウイスキー造りを学び、大阪の製鐵所に依頼をして他にはない日本製の蒸留窯を製造して、1924年に初めてとなる火入れをしてウイスキー造りを本格スタートさせました。
その当時は日本初として1つしかないばかりか、現在でもサントリーの蒸留所は3つ、他のメーカーを合わせても日本ではウイスキーの蒸留所の数はそう多くはありません。
これに対して、本場スコットランドは数えきれないほどの蒸留所があり、それぞれこだわりと伝統を持ってウイスキー造りをしています。
そのうえで、ウイスキーのブレンドにあたっては自社だけでなく、必要とあれば、他の蒸留所から原酒を分けてもらってブレンドをするという仕組みも整っています。
山崎蒸留所ではこうしたスコットランドの仕組みを日本でも実現すべく、1つの蒸留所内で原材料や発酵、蒸留、樽熟成の各工程において、多彩な工夫を施し原酒の造り分けを行っています。
ヘビリーピーテッド原酒も山崎蒸溜所が育んできた重要な原酒の１つで、モルト原酒の原料である麦芽を乾燥させる際に、モルトウイスキーの香りを特徴づけるのに欠かせない材料となるビートを強めに焚いて編み出されたものから育まれています。