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欧州と米国市場向け数量限定のラムウッドフィニッシュ

■日本では未発売の数量限定品
NIKKA（ニッカ） シングルモルト余市 ラムウッドフィニッシュは2017年9月14日に発売元であるアサヒビール株式会社と製造元のニッカウヰスキー株式会社が欧州･米国市場に向けに数量限定販売することを発表したウイスキーです。
欧州市場向けに700mlボトル、米国市場向けに750mlボトルが用意され、合計数量3,500本の限定発売となりました。
実際に発売がスタートしたのは2017年11月のことで、欧州では2本セットが395ユーロ（当時の日本円換算で約51,000円）米国では190ドル（日本円換算で約21,000円）で販売されたものです。
そのため、日本の方が手に入れるには現地に行って探すか、逆輸入品やコレクターから流れたものなどを買うというルートになるでしょう。

■どんなウイスキーなのか
NIKKA（ニッカ） シングルモルト余市 ラムウッドフィニッシュは力強くスモーキーな個性を持つシングルモルト余市を、ラム樽に移してさらに追熟させることで、ラム由来のまろやかな甘みが溶け込んだ深い味わいが宿っています。
ニッカウヰスキーの職人たちが厳選した1本1本厳選したラム樽に、余市蒸留所で醸造されたシングルモルトウイスキーを詰め、さらに約1年の年月をかけて熟成させています。
ラムフィニッシュならではの、熟したフルーツのような甘やかさがプラスされているのが特徴です。
冷却ろ過を行わずにボトリングされているので、複雑で豊かな香味がそのまま楽しめます。
心地よいピートの薫香やモルトの香ばしさに加えて、ラム樽ならではのオレンジやビターチョコレートのような風味が調和した長い余韻が魅力の特別なシングルモルトです。
アルコール度数は46％となっています。

■力強く重厚なシングルモルトが特徴の余市蒸留所
シングルモルト余市が醸造されている余市蒸留所は北海道にあり、北の海辺に面し、清々しく時に荒々しく吹き抜ける潮風や雪深い長い冬など、自然の風土に育まれながら貯蔵されています。
日本のウイスキーの父とも称されるニッカの創業者である竹鶴政孝が理想の地として選んだ、歴史ある場所です。
大正時代に自ら単身で渡欧し、ウイスキーの本場スコットランドでウイスキー造りを学び、現地で出会った女性を妻として迎えて帰国した竹鶴政孝は悲願となる第一号のポットスチルを余市蒸留所で1936年11月に稼働させます。
スチルマンが汗だくになりながら、粉々に砕いた石炭を炉にくべる微粉炭直火蒸溜方式で、本場スコットランドと全く同じ製法を採用したのです。
現在の余市蒸留所でも、世界でも稀有となっている石炭直火蒸溜を行ています。
蒸留された原酒は雄大で厳しい自然が広がる北の大地の澄みきった空気の中でゆっくりと熟成されながら、力強い重厚さが深まっていくのです。

■竹鶴政孝が選んだ余市蒸留所とは
スコットランドから帰国した竹鶴政孝が日本で初めてのウイスキー造りの地として余市を選んだのは、四季を通じて寒冷な気候で、豊かな水源を湛え、湿潤で澄んだ空気が流れる余市の風土や気候がスコットランドに似ていることを発見したからです。
北に冷たい日本海、三方を山々に囲まれた余市の冬は雪が降り積もって寒さが厳しく、四季を通じて冷涼かつ湿潤である環境がモルト原酒をゆっくりと育み、力強さや重厚さを宿していきます。
一方、厳しい冬の間に山々に降り積もった雪が春になり、暖かくなると雪解け水となって余市川に流れ込み、シングルモルト余市の仕込み水として活用されます。
地元で育まれた清廉で美しい水を使って蒸溜された原酒は、水蒸気をたっぷりと含んだ清涼な環境で乾燥から樽が守られながら、ゆっくりとした眠りにつけるのです。
熟成を重ねて円熟味が増し、芳醇な香りと深いコクのある豊かな味わいへと成熟していきます。
NIKKA（ニッカ） シングルモルト余市 ラムウッドフィニッシュのベースとなる力強く重厚な余市モルトは、竹鶴政孝の夢が詰まった伝統の蒸溜法と北の大自然によって育まれているのです。