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北の海辺に建つ余市蒸溜所ならではのソルティでピーティなシングルモルト

■海辺に建つ余市蒸溜所ならではの芳香とテイスト
余市蒸溜所は北海道の海沿いにあり、スコットランドに風土が似ているとニッカウヰスキーの創業者である竹鶴政孝が惚れ込んだ場所です。
NIKKA（ニッカ） シングルモルト 余市 12年 ピーティ＆ソルティは世界的にも稀有な設備となった石炭直火蒸溜法による重厚な力強さとピート香、海からの潮風に育まれた潮の香りが凝縮された余市モルトの本質が楽しめる一本です。
長く雪深い冬が終わると流れ込んでくる余市川の雪解け水を仕込み水に使い、清々しく、時に荒々しく吹き抜ける潮風と澄みきった空気の中でゆっくりと熟成を遂げた原酒は、力強い重厚さを深めていきます。
12年の歳月をかけて、ゆっくりと熟成を重ねながら円熟味を増し、コク深く豊かな味わいと芳醇な香りを備えた至極のシングルモルトです。

■本場スコットランドで学んだ技術を初めて日本に持ち込む
竹鶴政孝は今のように簡単に飛行機で渡航できなかった1918年12月に、船による長旅を経て独りスコットランドへ到着しました。
1919年にはスコッチウイスキーの本場であるスペイサイドのロングモーン蒸溜所にてモルトウイスキーの製造の実習を受け、その後、ボーネスにあるジェームス・カルダー社工場にてグレーンウイスキーの製造について学びます。
1920年半ばにはキャンベルタウンにあるヘーゼルバーン蒸溜所にて再びモルトウイスキーの製造工程とブレンド技術の習得に励みました。
竹鶴政孝は現場で学んだウイスキー製造工程のすべてをメモに残していました。
1日の実習を終えて宿に戻ると、自分の意見を書き加えながら実習報告と題したノートを作っていたのです。
ニッカウヰスキーにおいて竹鶴ノートとして大切に保管されている、その実習報告の内容は驚くほど詳細で、設備のイラストなども自筆で描かれています。
竹鶴政孝が日本に帰国して着手したウイスキーづくりは、2冊にわたる綿密で濃厚なノートがすべて元になっています。
ノートに描かれたイラストを見れば、1934年に設立した余市蒸溜所の石炭直火蒸溜によるポットスチルも、実習先の蒸溜所で用いられていたものとそっくりです。
このノートの存在は、実は世界的にも有名です。
イギリスの首相が「頭のよい日本の青年が、一本の万年筆とノートでウイスキーづくりの秘密を盗んでいった」と竹鶴政孝の功績を褒めたたえたというエピソードが残されています。

■設備より人の情熱を重視
帰国した竹鶴政孝が余市蒸溜所の建設にあたってモットーとしたのは、意外にもできる限り小規模にというものでした。
本場、スコットランドの地で数々の蒸溜所を視察した竹鶴政孝は、ウイスキー工場経営の難しさを、肌身を持って感じ取っていたようです。
修行を積みながら1920年の時点で将来の青写真を描き、無理のない範囲から初めて着実なる事業の発展を目指すべきと心に決めていました。
彼のウイスキーづくりには、需要なのは設備ではなく人の心であるというポリシーがあります。
1934年の余市蒸溜所の開設にあたっては、本来であれば初溜用と再溜用の2基用意すべきポットスチルが、資金繰りの面もあって1基しか設置されませんでした。
そのため、初溜後のポットスチルを丹念に清掃したうえで、再溜用として使用したのです。
たいへんな労力と手間をかけた作業ではありましたが、ウイスキーづくりには設備より人の心が大切だと従業員を激励しながら、ウイスキーづくりに邁進したといわれています。
厳しい北の大自然と脈々と受け継がれてきた熱い情熱と鍛え抜かれた技のすべてが、NIKKA（ニッカ） シングルモルト 余市 12年 ピーティ＆ソルティにも宿っているのです。
ロックやトゥワイスアップでシンプルに楽しめば、華やかさが花開いた後にウッディさが立ち上り、モルトの甘みがゆっくりと溶け出すことでしょう。
ハイボールにすれば、微かな酸味とモルトの甘さが交わり、ピートのコクを爽やかに楽しむことができます。