アルコール度数のばらつきが多いワイン
どのような種類の酒であってもアルコール度数にばらつきはあるものですが、その中でもワインは特にばらつきの幅が広い酒と言えます。
アルコール度数は大体6%から20%と幅広く、中にはアルコール度数が2%や3%といったアルコール度数の低いチューハイやカクテル並のワインも存在しています。
このようにアルコール度数にばらつきが出て来るのは原材料となるぶどうに大きな関係があり、このぶどうの糖度によってアルコール度数に変化が起こるのです。
糖度による違い
糖度の高いぶどうを使用した場合、アルコール度数も高くなる傾向にあり、逆に糖度の低いぶどうをしようした場合はアルコール度数も低くなる傾向にあります。
シラー、もしくはシラーズという品種のぶどうから作られるワインはぶどうそのものの糖度がとても高いため、14%を超えるワインができることも珍しくはありません。
このためわざとアルコール度数を抑えるような製造をしているケースも見られています。
ぶどうは天候や気候に左右されますから、同じ種類のワインであっても年によって糖度が変化しアルコール度数にも変化が出てしまうこともあるためばらつきが出るのです。
ワインの甘口や辛口は度数と関係がある?
ここで気になるのは糖度の違いによってアルコール度数が関係するのなら、甘口のワインや辛口のワインにもアルコール度数の違いが関係するのではないかということです。
しかし、白ワインと赤ワインの一般的なアルコール度数を見てみると、白ワインが7%から14%であるのに対し赤ワインは11%から14%と大きくアルコール度数に差がありません。
14%の甘口の白ワインと14%の辛口の赤ワインは同じ度数なのに味が違うのは糖度の問題というよりも製造過程での発酵温度に違いがあるためと言えます。
赤ワインと比較して白ワインのほうが発酵温度が低く、そのためワインそのものの糖度が高くなりやすいので飲み口も爽やかになります。
使っているぶどうの品種にも関係がまったくないわけではありませんが、甘口か辛口かは発酵温度の違いによって生じるものなのでアルコール度数が低いから甘口、高いから辛口とは一概に言えないのです。