泡盛の熟成と洋酒の熟成の違いはまったく別物でした
泡盛の古酒と聞くと古く年月をかけたお酒なのだというイメージを持たれる方も多いのではないでしょうか。
また洋酒のブランデーやウィスキーなども年代物のお酒がありますので、同じようなものだと勘違いされている方も多いことでしょう。
実は泡盛の熟成と洋酒の熟成はまったくの別物で、酒造りの過程で大きな違いがあります。
洋酒の場合、熟成させていくのは樽の中です。
樽にはバニラの香りやスモーキーな香りなどが含まれていますので、芳醇な香りのウィスキーやブランデーが生まれてくるのです。
実は樽でお酒を造るようになったのは政府の目を隠すために山奥で密造酒を作っていたのがバレないように樽に隠して作っていたのが始まりなのですが、結果的には美味しいお酒を造る秘訣となったわけです。
一方泡盛のほうは、泡盛に含まれている成分そのままが長期間時間をかけて熟成していくため、化学的な変化を遂げて味がまろやかになり、発酵によって甘くなるのです。
熟成の仕方に違いがある洋酒と泡盛ですが、違いはここだけではありません。
瓶詰めにされた後も泡盛は変化をし続けていきます
古酒と言われている泡盛ですが、瓶詰めにされた後も泡盛に含まれる成分によって変化をし、古酒として美味しく熟成していきます。
泡盛にはギ酸、酢酸、イソ吉草酸などの脂肪酸が含まれており、フルーティーで華やかな香りがする酢酸エチルという成分などが含まれていきますので、古酒になればなるほど、味にコクや深み、甘味を与えてくれるのです。
古酒になるほど泡盛は化学的な変化を遂げていきますのでさらに美味しくなっていくことでしょう。
一方、瓶詰めにされた洋酒のほうですが、樽の中では熟成することが可能だったのですが、瓶詰めにすると古酒化はまったく進みませんので、瓶詰後は味が特別美味しく変化するというわけではありません。
逆に保管状態が悪いと洋酒の品質が落ちてしまうため、一定の低温度、冷暗所で保管をして瓶詰後は早く飲まれたほうがよいでしょう。
古酒の泡盛と洋酒のブランデーやウィスキーの違いは、製造方法や瓶詰後によっても大きく違いがあります。
泡盛は瓶詰後もアルコールの分子を水の分子が包み込みクラスター化していく物理的な変化が起こりますので、味がさらにまろやかになり美味しくなりますので、古酒を味わう楽しみが瓶詰後も残っているのです。