スピリッツとは
スピリッツは火の酒とも呼ばれ、ビールやワインなどの醸造酒を高温で加熱していったんアルコールを気化させ、それを冷却したうえで液状化させたものです。
そのため、もとの醸造酒よりもアルコール度数が高いお酒に出来上がります。
火入れすることと、体が燃えるようなアルコール濃度の高いお酒であることから、火の酒などと呼ばれているのです。
スピリッツの種類
ビール類の醸造酒を蒸溜すればウィスキーに、ワイン類の醸造酒を蒸留すればブランデーとなり、広義ではウィスキーやブランデーもスピリッツの一種に分類されます。
もっとも、一般的にスピリッツという場合にはウィスキーやブランデー以外の蒸留酒を指し、世界的に知られている代表的なものとしてウォッカ、ジン、ラム、テキーラなどが挙げられ、世界四大スピリッツとも呼ばれています。
歴史的にみるとヨーロッパでブランデーが生まれ、アイルランドやスコットランドでウィスキーが誕生し、ロシアやポーランドでウォッカが生まれ、オランダでジンが誕生した後、大航海時代にヨーロッパから蒸溜技術が伝わってカリブでラムが生まれ、メキシコでテキーラが誕生したとされています。
また、日本では14世紀に沖縄に蒸溜技術が伝わって泡盛が製造されるようになり、その後、九州で焼酎製造が始まったと歴史があります。
四大スピリッツの造り方
ウォッカはロシアで有名なスピリッツで、ジャガイモなどの芋類や穀物を糖化し、発酵、蒸溜した後、白樺などの活性炭で濾過して造られます。
雑味をクリアにしたクセのない蒸溜酒で、無色透明のタイプと果実やハーブなどで香りをつけたフレーバードウォッカもあります。
ジンは大麦麦芽やトウモロコシなどから造られており、香味成分としてジュニパー・ベリーという実や草根木皮を加えて再蒸溜して造られた無色透明のスピリッツです。
ラムはカリブ海の西インド諸島発祥で、サトウキビの糖蜜や搾り汁を用いており、色の濃淡によってホワイトラム・ゴールドラム・ダークラムに分けられます。
カクテルベースとなるほか、スイーツ作りにも多様されています。
テキーラはメキシコ発祥でブルーアガベを用いて造られます。
樽熟成をしないブランコ、2ヶ月~1年の樽熟成をしたレポサド、1年~3年樽熟成させたアネホ、3年以上樽熟成させたエクストラ・アネホに分類されます。