ウイスキーブームを再燃させた主役
昨今のウイスキーブームは、ハイボールブームから始まったと言っていいでしょう。
それまでは一部の人が好むお酒だったウイスキーを、老若男女問わず夢中にさせたのが、ハイボールです。
思いのほか飲みやすく、それでいておいしさもしっかり感じられることや、印象的なテレビコマーシャルの効果も手伝って、瞬く間にハイボールブームが生まれました。
その中心となったウイスキーが、サントリーの角です。
サントリーの角といえば、80年にもわたる長い歴史を持ったウイスキーで、誰もが特徴のある瓶とその名前を知っていましたが、飲んだことがないという人も多くいました。
どちらかと言えば、古い時代のお酒というイメージもあったと言っていいでしょう。
ハイボールブームから大注目
コマーシャルが当たったことで、一躍日の目を見ることになった角は、実はサントリーが国内初のウイスキーを発売することに成功したものの、さっぱり売れなかったという苦い経験ののち、生み出されたウイスキーです。
失敗を経験したサントリーが次に送り出した角は大ヒットし、誰もが角を楽しんだものですが、その後は様々なお酒が登場するにつれ、好きな人だけが飲む一部の人向けのお酒となってしまいました。
それを再び表舞台に引っ張り出したのは、ハイボールという飲み方を魅力的なコマーシャルで宣伝したことです。
宣伝が当たり、さらに角の確かな美味しさが人々の注目を集めるのに、時間はかかりませんでした。
今や缶入りも発売され、手軽に飲めるようになっています。
缶入りには濃い目も作られていますので、もっと角を多めにというリクエストがあったものと推測できます。
二つの蒸留所で作っています
角にはいわゆる角瓶と呼ばれて親しまれている物とは別に、白角と呼ばれるタイプもあります。
角瓶が山崎蒸留所で作られているのに対し、白角は白州を作っている信州の白州蒸留所で作られたウイスキーです。
角瓶は甘い香りとコクがあることから、ハイボールで飲むのがもっとも美味しく味わえるのに対し、白角はクリアでキレのいい味わいに仕上がっていて、水割りがサントリーからのイチオシです。
同じ角でも味わいに違いがあるとなると、どちらも飲んでみたくなるのが角ファンの正直な気持ちではないでしょうか。