四川省の名水から生まれた歴史ある銘酒
五粮液(ごりょうえき)は、名水が多い四川省で作られている蒸留酒・白酒です。
貴州茅台酒に並ぶ中国の代表的なお酒で、長い伝統を持っています。
五粮液の醸造を行うための専用の穴蔵があり、そこを粘土で封印するという伝統的な方法で作られてきました。
発酵には70~90日ほどかけ、そこからさらに熟成させていきます。
五粮液の名前は、原料に高粱にうるち米、もち米、とうもろこし、小麦の5種類を使っていることに由来し、厳選した素材を使い丹念に醸造した蒸留酒です。
1200年以上の歴史を持つ宜賓市で再び作られるようになりました。
この歴史あるお酒には300年以上経ったものが今でも数多く残っており、中には600年以上の歳月を経た老酒も存在します。
まさに、歴史ある中国の銘酒だと言えるでしょう。
お酒好きにはたまらない独特の風味が魅力です
五粮液はアルコール度数が52度と高く、お酒に強い人でないとゆっくり味わう前に酔っぱらってしまうかもしれません。
ですが、その風味は独特で、多くのお酒好きの方に支持されています。
中でも特徴的なのがその香りで、封を開けた途端に熟したバナナのような濃厚な香りに襲われます。
飲むたびに口いっぱいに広がる香りが強烈です。
それでいて濃厚でやわらかい味わいがあり、穀物由来の旨味とコクが楽しめるでしょう。
この香りの正体は、五粮液を作るのに使われている包包曲という特殊な麹です。
培養していくと真ん中が隆起して空気との接触面が増えるのが特徴で、完全に成長すると独特の香りを発するようになります。
最近ではお酒に弱い方でも飲みやすいように、38度程度のアルコール度数が低いものも作られるようになりました。
思わずコレクションしたくなる高級酒
元々、白酒とは国賓をもてなすためのお酒であり、世界三大蒸留酒の一つにも挙げられる世界的に知られたお酒です。
白酒の中でも五粮液と貴州茅台酒は人気が高く、熟成に時間がかかることもあって中国の高級酒としても知られています。
そのため、偽物が作られることも少なくありません。
偽物対策とし鍵付きのケースに入った状態で販売されており、見るからに高級酒といった印象です。
さらに、記念日などで限定販売されるような豪華なつくりのものもあり、舌だけでなく目でも楽しめるでしょう。