ハブ酒について
沖縄のお酒の代名詞と言えるのがハブ酒です。
名前の通り、蛇のハブを焼酎や泡盛などで漬け込んだ薬味酒となります。
ハブの臭みなどを気にする方もいますが、断食・血抜き・内臓の除去などを行っているため、臭みはありません。
このとき多くの人々が「ハブは毒を持っているのだから飲んでも大丈夫なのか」と疑問に思われます。
しかし、ハブの毒はタンパク質であり、アルコールはタンパク質を変質かさせる作用があります。
毒タンパク質の変質、つまり、無毒化されているわけなので、お酒の飲める年齢・体質であれば問題がありません。
つまり、アルコール度数の高い焼酎や泡盛など利用するのは、ハブが捕れるのが沖縄や鹿児島だからという理由だけでなく、無毒化も大きな理由なのです。
ただ、焼酎や泡盛を苦手としている人も少なくありません。
人気のうるま
そこで、ハブ酒で長い間ロングセラーとなっているのが「うるま」です。
「ハブ酒といえば、うるま」と一番に思い浮かべる人も決して少なくないでしょう。
このうるまの特徴は、焼酎や泡盛ではなくラム酒を利用しているところになります。
ラム酒というと西洋のお酒だと思われる人も多いですが、原料はサトウキビの廃糖蜜や搾り汁です。
サトウキビを主産業としている沖縄と地域性の強いお酒だとも言えます。
上記で述べたハブ酒で使われる焼酎もほとんどが黒糖焼酎であり、この原料もまたサトウキビなのです。
料理やお菓子作りでも使われるラム酒、これを利用することでハブ酒うるまは飲みやすくなり、人気に火がつきました。
ハブ酒の栄養成分
では、薬味酒として気になるのがその栄養成分でしょう。
ビタミン類やアミノ酸類が豊富に含まれており、そのアミノ酸類で特に注目するべきはタウリンです。
このタウリンは、ホメオスタシス(恒常性維持)作用が高い栄養成分として知られています。
ホメオスタシス作用とは、暑さや寒さなどの環境の変化にも体温や血圧を一定にする作用のことです。
暑い沖縄で元気に活動できるのは、ハブ酒に含まれているタウリンのおかげなのかもしれません。
もちろん、沖縄だけでなく日本全国で猛暑となり、夏バテで悩んでいる人は少なくありません。
そのような方にも、ハブ酒うるまは、力強い味方となってくれるはずです。